Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
フォロワー数ランキングで分析、「外食」の有望銘柄はどこ?
投資初心者にも身近なセクター
投資初心者によくある悩みの1つとして、個別株を買おうにも、どの銘柄を選べばいいのかわからない、というものがあります。そうした際にも選びやすい代表的な業種が「外食」ではないでしょうか。店舗が身近な場所にある企業であれば、どの程度にぎわっているのかが一目瞭然ですし、株主優待で食事券などがもらえる銘柄が多いのもメリットです。しかし一方で、競争の激しい業界でもあるため、業績の浮き沈みが大きいともいえます。外食業界の有望銘柄を探し出すには、どのような点に注目すべきなのでしょうか。今回は、外食銘柄の見極め方について解説したいと思います。
異例の独歩高、世界同時株安の中で「豪州株」が堅調なワケ
約12年ぶりに史上最高値を更新
豪州の代表的な株価指数であるASX200指数は7月30日、約12年ぶりに史上最高値を更新しました。米中貿易摩擦への懸念が広がる中、豪州株は春先から他のアジア株との連動性が薄れ、独歩高となっています。8月23日時点での年初来上昇率は15.5%にのぼります。今回は、豪州株が好調な理由を分析してみたいと思います。
プロの投資家が提言できる「日本企業がやるべきこと」
デフレ脱却への道筋は?
先日、国際コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(ICGN)という、企業ガバナンスを議論する国際会議が東京で行われ、パネル討論に参加しました。テーマは「グローバル化が進む日本:スチュワードシップ・エンゲージメントを効果的にする――グローバル、ローカル、文化間の観点から」。総じて日本のコーポレート・ガバナンスは改善している、というトーンを強く感じました。今回は、筆者が総会全体を通じて感じたことをお伝えしたいと思います。
有望なのは「成長株」か「割安株」か、2つの株価指数で再点検
市場は今もグロース株指向?
8月の金融市場を突如襲った日米同時株安。円高進行や日米の長期金利低下もあり、いわゆる「リスクオフ」傾向がみられました。本稿執筆時点(8月21日)時点では下げ止まったようにも見えますが、まだ予断を許さない気がします。このように相場全体の方向感が読めない時、投資家は何を基準に投資する銘柄を判断すべきなのでしょうか。半年前にあたる2月22日の本連載では、TOPIXグロース指数と同バリュー指数を比較しました。今回は再びこの2つの指数を比較して、株価傾向に変化がないかを確認してみたいと思います。
いま株を買うと危険?「落ちるナイフ」相場の正しい向き合い方
日本市場は今どんな状態か
先週、8月14日のNYダウ平均株価は今年最大の下げ幅となる▲767ドル20セントを記録しました。その2日前には、アルゼンチンの代表的な株価指数であるメルバル指数が1日で38%も値を下げて取引を終えるなど、先週はいわゆる「落ちるナイフ」相場が各地で繰り広げられました。足元では急落から落ち着きを取り戻しつつあるようにも思われますが、日本市場ははたして「落ちるナイフ」相場から脱したといえるのでしょうか。
話題の「人工肉」、ビヨンド・ミートに続く有望企業は?
上場3ヵ月で株価は5.8倍に
植物由来の人工肉が世界の投資家の注目を浴びています。きっかけとなったのは、5月2日に米ナスダック市場に上場した「ビヨンド・ミート」という新興企業。エンドウ豆など植物由来の成分から本物の肉に似せた食品(人工肉)を製造する大手メーカーです。同社の公開価格は25ドル、上場初日の初値は46ドル、直近8月16日の終値が約145ドルと、高値からは反落したものの公開価格の約5.8倍まで上昇。2018年の純損益は赤字で、PSR(株価売上高倍率、時価総額を年間売上高で除して算出)は約100倍と非常に割高ですが、それだけ人工肉の将来性に対する投資家の期待も強いといえます。この米国発の人工肉ブームは、膨大な人口と潜在的な食糧問題を抱える中国でも注目されており、現代科学に基づく人工肉の開発が進められています。今回は、ビヨンド・ミートに続く可能性がある有望企業について解説したいと思います。
リスクオフの円買い相場で「豪ドル」が最大の焦点である理由
為替市場の転換点は近い?
8月の為替市場のメインテーマは「リスクオフ」といえます。8月1日に米国のドナルド・トランプ大統領が中国製品3,000億ドル相当へ10%の追加関税を賦課する方針を突如発表して以降、米中両国の対立は新たなステージに突入しました。また、米中の対立激化以外にも、香港やイタリア、アルゼンチンなど世界各地での政治的混乱が嫌気されたほか、ユーロ圏の景気悪化懸念も投資家心理を冷やす要因になりました。市場は悲観ムード一色ですが、そこに落とし穴はないのか、探ってみたいと思います。
米国は今年最大の株安、でも日経平均が意外に底堅い理由
日本株の巻き返しが始まる?
8月14日に米ダウ工業株30種平均は800ドル安と今年最大の下げを記録しました。きっかけとなった「長短金利の逆転現象」(逆イールド現象)は、過去においてはその後のリセッション(景気後退)を予見していたことから、警戒ムードが高まっていました。しかし、当日の日経平均株価は一時400円超えの急落で全面安にさらされながらも、2万円台をキープし、一定の底堅さを示す格好となりました。今後の日本株の動向を分析してみたいと思います。
“経済分析のプロ”が「日本株の底入れはまだ先」と見る理由
経済指標は底堅いのに株式市場は大荒れ
ドナルド・トランプ米大統領が中国からの輸入品約3,000億ドル相当に10%の追加関税を課すと発表したのは、8月1日のこと。それまで高値圏にあった米国株は下落に転じ、ダウ工業株30種平均指数(ダウ平均株価)は5日には2万5,000ドル台まで急落しました。米国が中国を為替操作国に認定した後には、いったん反発する場面もありました。ただ、米中貿易戦争への懸念に加えて、先行きの世界経済への懸念が高まり、14日にはダウ平均株価は再び2万5,000ドル台半ばまで急落するなど、米国株市場は乱高下しています。8月になって、米中貿易戦争の余波とも位置づけられるデモ拡大によって、香港の空港一時閉鎖が起きました。欧州では連立政権内の意見対立によってイタリアでの早期解散総選挙の可能性が高まり、中南米では大統領予備選挙によって政権交代の可能性が浮上したアルゼンチンが大幅な通貨安に見舞われました。これら複数の政治的な不確実性の高まりが、世界の株式市場の重しとなっています。夏季休暇となる8月は金融市場が不安定になりやすいと言われていますが、今年も同様に荒れ模様の相場となりました。
日経報道は大げさ?直近決算で見えた日本株「最新投資戦略」
日本株“2ケタ減益”は真実か
2019年4~6月期の決算発表もほぼ一巡しました。日本経済新聞は先週金曜日の1面で「上場企業の2019年4~6月期の純利益は前年同期比14%減と3四半期連続で減益となった」と報じました。おそらく今週末には詳細な集計結果が掲載されることでしょう。ただ、2ケタ減益というのは少し過大な印象を受けます。もちろん、集計対象企業が異なれば、結果はいくらでも違います。純利益が前年同期比3.6倍の1兆1,217億円となったソフトバンクグループなどを対象から外しているのかもしれません。そこで今回は、4~6月期決算の実態がどうなっていて、それを踏まえて当面の間、どのような投資戦略で臨むべきか、考えてみたいと思います。
お盆休みに考えたい「老後2000万円問題」への向き合い方
ベストは「果報は寝て待て」投資?
世間はお盆休み真っ只中。普段は会社勤めで、株式投資などに時間を割く余裕のない人にとっては、株式市場が開いているのに会社はお休みというこの時期は、自身の資産運用について再考する格好の機会といえます。特に今年は、お盆から2ヵ月ほど前に、金融庁の金融審議会・市場ワーキング・グループがまとめた報告書に端を発した「老後の2,000万円問題」が世間を騒がせたばかり。自分の老後について、2,000万円必要かどうかわからないけれども、年金だけでは不足が生じるため、金融資産を取り崩していかないとならない、と漠然と感じている方も多いと思われます。そこで今回は、2,000万円問題について、どのような気構えで接すべきで、個人レベルでどのような対策が可能なのか、考えてみます。
年金だけで老後は暮らせない?金融庁WG報告書を読み解く
老後2000万円問題について考える
6月に金融庁が出した報告書で 「老後資金が2,000万円不足するので資産運用が必要」とされているような報道があり、世間を騒がせました。しかし、実際に報告書の内容をよく見ると、少しニュアンスが違います。平均的に年金受給額以上に貯めている人が多いということを示したうえで、今後は私たちの寿命が伸びるに従い、さらに資産運用が大切になるということを気づかせてくれたものでした。報告書の内容をくわしく読み解き、私たちはどうすれば良いのかを考えてみたいと思います。
セクター別分析から見えた「日経平均」5日ぶり反発の持続力
日本株の下落基調は続くのか
7月まで値動きの乏しい相場が続いていた株式市場ですが、8月に入り大きく乱高下しています。8月1日には2万1,540円だった日経平均株価は、同月7日に2万0,516円まで下落。翌8日には2万0,593円と、5営業日ぶりに反発しましたが、力強さに欠ける展開でした。では、日本の株式市場はこのまま中長期的な下落基調に転じるのでしょうか。今回は、業種分類別の値動きから、日本株市場全体の先行きを見通してみたいと思います。
お盆休みに考えたい、「“隠れ”塩漬け株」の片づけ方
あなたのポートフォリオは大丈夫?
お盆休み間近となり、帰省に合わせて、実家の掃除や片づけを考えている方も多いかもしれません。一方で、保有している株式のポートフォリオのお手入れについて、考えてみたことはあるでしょうか。長年、手入れがされていないポートフォリオには、思わぬ「塩漬け株」が隠れていることがあります。今回は、その整理の仕方について、考えてみたいと思います。
世界4位の経済大国に?インドネシアの長期的投資価値
NEXTユニコーンも続々
世界各国で金融緩和の動きが強まっています。7月18日には、インドネシアも約2年ぶりの利下げを実施しました。政策金利は6.0%から5.75%に引き下げられています。ここ数年のインドネシアは景気低迷が長期化する中で、通貨ルピアも弱含みで推移していましたが、直近はようやく相場も安定してきました。特に昨年インドネシアで立て続けに実施された利上げは、ルピア相場の安定を主目的としたものでしたが、ようやく景気重視に軸足を移しつつあるといえるでしょう。4月に実施された大統領選挙を経て、2期目がスタートしたジョコ政権にとって初めての政策転換です。7月23日にIMF(国際通貨基金)が発表した「エコノミックアウトルック」では、世界全体、国別ともに、成長率予想の下方修正が目立ちました。世界的に米中問題、日韓問題などさまざまな難題が山積する中で、今後のインドネシア・ジョコ政権の課題や注目ポイントなどについて考えてみたいと思います。
日経平均2万円の攻防、「トランプ・ショック」で先行きは?
押し目買いの好機はどこか
先週の株式市場は、ドナルド・トランプ米大統領による“寝耳に水”の第4弾の対中関税引き上げの表明で、不意打ちを食らう形となりました。ほとんどの市場関係者が予想していなかったアクションで、市場参加者の動揺はまたたく間に世界の株式市場に広がりました。いまだに混乱は収まっていない状況ですが、今後の展開についてまとめてみたいと思います。
経済効果は80兆円?拡大が期待される「夜遊び経済」
ナイトタイムエコノミーで注目企業は?
8月に入り、花火大会などで夜に外出する機会が増えている人も多いのではないでしょうか。日没から翌朝までの夜の時間帯で行われる経済活動は「ナイトタイムエコノミー」と呼ばれています。大規模な財政政策を行わなくても、規制緩和によって経済効果を生むことができるため、欧米を中心に世界的にナイトタイムエコノミーに注目する国が増えています。日本でも、日本のナイトライフ(夜のレジャー・観光)を楽しもうとする訪日外国人旅行者が増加しているのに加え、日本人も働き方改革によって仕事が終わった後の余暇時間が増えています。今回は、「夜遊び経済」とも呼ばれるナイトタイムエコノミーについて、考えてみたいと思います。
ついにアメリカが利下げ、世界的な金融緩和競争の帰結は?
金利引き下げは約10年半ぶり
7月30~31日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)において、FRB(米連邦準備制度理事会)は、約10年半ぶりに政策金利の引き下げを決めました。9月以降のFOMCでも、さらなる引き下げが金融市場で予想されています。FRBだけでなく、ECB(欧州中央銀行)も6月から利下げ方向に転じる姿勢を示し、次回9月理事会ではマイナス金利の深掘りがほぼ確実視され、また2018年まで行っていた国債などの資産買い入れも再開されるでしょう。資産購入に関しては、開始時期と買い入れ規模が金融市場の焦点になっています。また米欧に加えて、多くの新興国においても中央銀行(中銀)は利下げを始めています。各国の中銀が金融緩和を行っていることを指して、「金融緩和競争」が起きていると言われています。これはどのような意味を持つのか、考えたいと思います。