Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
アメリカの雇用統計が日本でも注目される理由
7月5日に最新統計が発表
ニュース番組などを見ていて、「アメリカの雇用統計が発表されました」というフレーズを聞いたことがある方もいるかもしれません。筆者の所属するマネックス証券もそうですが、「雇用統計実況中継」などのタイトルで雇用統計の発表をネットで生配信する証券会社も多いことから、雇用統計についてはご存じの方も多いのではないでしょうか。アメリカの雇用統計は、非常に重要視されている経済指標です。6月分は日本時間の7月5日21時30分に公表されます。今回は、なぜ米国の雇用統計がこれほどまで重要視されるのか解説します。
中期計画を「達成する会社」と「しない会社」は何が違う?
達成企業に興味深い傾向
企業と投資家・株主の対話を活性化させるツールとして、中期経営計画(中計)の重要性が高まっています。一般的に中計で設定した定量目標の達成率は低く、数字そのものよりも、目標を達成するためにどのような施策を打つかということが重要という意見もあります。中計で設定した定量目標を達成した企業と達成できなかった企業を比較すると、どんな違いがあるのでしょうか。調べてみたところ、達成企業で興味深い傾向がみられました。
G20明けの日経平均は急伸、勢いはしばらく続く?
“二重の期待”が相場の追い風に
7月最初の株式市場では、日経平均株価が前日比454円高と急伸しました。週末に開催されたG20大阪サミットで、これまで懸案とされてきた米中貿易協議に大きな進展が見られたためです。しかし、マーケットには相場の先行きを慎重に見る向きもあるようです。個人投資家は当面の間、株式市場とどのように向き合ったらよいのでしょうか。
今こそ「有事の金」?ゴールドへの投資価値を考える
資産ポートフォリオに組み込むべき?
昔から、人々に宝飾品として好まれている金(ゴールド)。“腐る”ということがないので、価値の貯蔵としても利用されてきました。長らく通貨としても利用され、今でも世界の中央銀行が資産として保有しています。もちろん、資産運用として金に投資する投資家は多く、先物取引も整備されています。今回は、宝飾品としての金ではなく、投資先としての金の魅力について考えてみます。
日本株はこの先、米国株主導の“ツレ高”が期待できるか
ダウ指数は年初来高値を更新
米国の代表的な株価指数であるダウ・ジョーンズ工業株価平均(以下、ダウ指数)は2018年の10月頃に下落し、11月頃は小康状態、そして12月頃に再度下落しました。約1ヵ月下落、約1ヵ月の小康状態、そして再度、約1ヵ月下落という流れです。これを見ると、2019年も5月の下落から1ヵ月をおいて、7月にまた下落に陥ることがあるのかが少し心配になります。折しも6月末にはG20サミットという大きな行事が控えていることも、7月相場への懸念をもたらすかもしれません。そこで今回の記事では、昨年後半の下落をもたらした要因・理由と私が考えるものを列挙し、現在の環境との比較を行いたいと考えます。
サークルKサンクスのURLが6000万円で落札された裏事情
「見えない資産」の価値から考える
6月18日にサークルKサンクスのURLがオークションにかけられ、6000万円で落札されたことが話題になりました。サークルKサンクスは2018年11月に営業を終了し、ブランドもファミリーマートに一本化されています。もう使われることがないはずのURLが高額で落札されたのは、いったいなぜでしょうか。
注目浴びる中国の「ユニコーン企業」、その投資価値を考える
足元の損益よりも注目すべきは?
5月17日、中国で最も若いユニコーン企業の1社であるラッキン・コーヒー(瑞幸珈琲)が米国のナスダック市場に上場しました。ユニコーン企業とは、評価額10億ドル以上、かつ設立年数が短い未上場企業を指します。希少で価値が高いことから、伝説上の一角獣(ユニコーン)になぞらえてできた言葉です。直近1年間で株式公開を行った中国の元ユニコーン企業としては、他にスマートフォンメーカーのシャオミ(2018年7月に香港上場)や格安ネット通販のピンドゥオドゥオ(同年7月にナスダック上場)、電気自動車メーカーのNIO(同年9月にニューヨーク上場)、フードデリバリーの美団点評(同年9月に香港上場)などが挙げられます。
焦点はG20後、長期化する貿易戦争下で注目すべき投資先は?
内需の強い投資対象を探る
G20サミットと米中首脳会談が今週末に迫ってきました。5月5日にドナルド・トランプ米大統領が突然、対中追加関税引き上げ発言を発して以来、対中関税第4弾の可能性や中国通信大手ファーウェイとの取引禁止、それに対する中国からのレアアースの対米輸出禁止の検討と、激しい攻防が続いてきました。しかし6月18日には、トランプ大統領がG20に併せて米中首脳会談を持つとの意向を示し、再び米中協議の軟着陸への期待が高まっています。とはいえ、米中通商協議の本質が「米中の覇権争い」であり、トランプ大統領が来年の米大統領選挙にかけて、外交政策での切り札として利用し続けると予想されるため、米中貿易摩擦は強弱を変えながらも、長期化する可能性はあるでしょう。こうした局面での投資対象としては、対外輸出依存度や米中向け輸出依存度が低い国、つまり内需の成長力が大きい市場が選好されるとみられます。米中貿易摩擦の影響を受けてもなお、成長が期待できそうなアジア、オセアニア諸国を分析してみたいと思います。
1ドル106円台に接近、ドル安局面は今後も続くのか
ドル円相場の深層に迫る
注目された6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けた20日の外国為替市場は、ドル売り一色に染められました。政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は現行の2.25~2.50%で据え置かれたものの、米連邦準備理事会(FRB)は景気を重視する「ハト派」姿勢を強めたとの受け止めが広がり、米金利にさらなる低下圧力が掛かったことが背景です。中東情勢の緊迫化も重なり、ドル円相場は一時1ドル107円台前半と、今年1月3日にドルが瞬間的な急落を演じた(フラッシュ・クラッシュ)時以来の円高・ドル安水準を付ける場面がありました。ドル円相場は、このまま円高・ドル安の流れが強まっていくのでしょうか。
押し目買いの目安は?方向感なき株式市場を生き抜く秘策
「移動平均線乖離率」をご存じですか
現在の株式市場は、米中貿易戦争とFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策に大きく左右されています。米中貿易戦争は、交渉進展が期待できるG20を前にして、中国側は交渉が長期化するのを覚悟したうえで態度を硬化。今後、実体経済はさらなる悪化が警戒されています。一方で、アメリカの中央銀行にあたるFRBは、このようなファンダメンタルズの悪影響を緩和させるため、6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)において、7月以降に利下げする可能性を示唆しました。このように、株式市場には強弱材料が交錯しているため、方向感が出づらく、薄商いが続いています。こうした状況下で、個人投資家はどのように立ち回ればよいのでしょうか。
今宵は歴史的なFOMC、マネックス広木氏の直前予測は?
FRBは利下げに踏み切るか
非常にタイミングの悪い時に、小欄執筆の順番が回ってきました。今日はなんと言っても、FOMC(米連邦公開市場委員会)の話題に触れないわけにはいきません。なにしろFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに踏み切るのかを探る重要な会合です。後世から見れば、歴史的なFOMCになると言っても過言ではありません。数時間後にはFOMCの結果が判明しています。まったく的外れのことを書いていたら、どうぞ笑ってお許しください。
日経平均は底打ち?“もう1つの需給動向”から考えてみた
株価決定のメカニズムを探る
株価は何で決まると思いますか――。「株式投資は人気投票」といわれることをとらえて、需給で決まると主張する人もいるかもしれません。いやいやそうではない、企業の業績の良し悪しで決まる、と考える人もいるはずです。しかし需給だけ、業績だけではなく、どちらも重要な株価の決定要因のように思われます。今回はこの需給に注目して、日経平均株価の行方を考えてみます。
ついに米国が利下げ?為替市場で何が起こるか
無視できない実需マネー
6月に入り、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測が急速に台頭しています。仮に米中貿易摩擦が長期化すれば、FRBが“予防的な利下げ”を実施するというシナリオが市場でかなりの支持を得ているといえます。焦点は、もはや「利下げがあるかどうか」ではなく、「いつ実施されるか」というところに移っている印象です。市場あるいはトランプ政権から強い利下げ要求圧力を受け、FRBが従来の「忍耐強い姿勢」を維持するのが難しくなっているのは確かでしょう。
景気先行き不安の予兆?“逆イールド”の本当の意味
解消される条件は
数年に一度、短期金利が長期金利を上回り、市場が騒がしくなることがあります。最近、米国では10年国債利回りが政策金利の下限を下回る状況が続いています。 そこで今回は、「短期金利>長期金利」という現象、いわゆる「逆イールド」が何を意味するのかについて、考察してみようと思います。
2つの新指数で読み解く、日経平均“鈍足反発”の深層
なぜ日本株の上値は重いのか
日本経済新聞社は4月から「日経平均内需株50指数」「日経平均外需株50指数」(以下、内需株指数、外需株指数)の発表を始めました。普段、国内外の金融市場を分析している筆者としては、わが国の株式市場の動きを把握するうえで、とても有意義な指数であると考えています。この2つの指数を使えば、足元の株式市場の動きをどのように分析できるのでしょうか。今回は指数の特性と活用方法について、考えてみたいと思います。
タピオカブームは本当に「株価暴落の前兆」なのか
SNSで広がる不穏なウワサ
「タピオカブームは株価暴落の前兆ではないか」――。SNSを中心に、タピオカがブームになると株価が暴落するというウワサが広がっています。今年は「第3次タピオカブーム」とも呼ばれる、タピオカドリンクの流行が起きています。これが一部の投資家にとって懸念材料となっているようです。
株価指数は大台突破、「インド株」は与党圧勝で前途洋々?
単独政党の圧勝は35年ぶり
インドで4月から5月にかけて行われた下院総選挙で、ナレンドラ・モディ首相が率いるインド人民党(BJP)が歴史的な大勝を果たしました。マーケットが描いていたベストシナリオ以上の結果に、インドの代表的な株価指数のセンセックス指数は再び史上最高値を更新。一時、4万ポイントの大台に乗せました。
1ドル108円割れから反転、“アク抜け”ドル円相場の先行き
このまま円安が進行するか
6月7日に発表された米国の5月雇用統計は、非農業部門就業者数と平均時給伸び率が市場予想の平均値よりも弱い内容となり、発表直後からドルの売り圧力が強まりました。つまり、米国の利下げ期待が強まっている環境下で、平均時給の伸び率が弱かったことによる米金利低下が、ドル円相場の頭を重くしたのです。しかし、米株式市場では、米利下げ観測が好感され、株価は寄り付きから上昇。為替市場でのドルの売り圧力は弱まりました。週末にG20財務相・中央銀行総裁会議、日米財務相会談が控えていたことに加え、週初から盛り上がっていたドナルド・トランプ大統領による対メキシコ関税問題に関するヘッドラインへの警戒もあり、投機的ポジション(株先物売り・円買い)を大きく傾けたくない心理が働いたのではないかと考えられます。もともと3~7日の週は、対メキシコ関税問題、ADP雇用統計を受けて、短期筋や投機筋、デイトレーダーのドルの売りが溜まりやすい地合いでした。ポジション調整はドルの買い戻し方向であったと想像しています。