Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
相場のチャンスは“人間の過ち”にあり
先週の日経平均が“ミスプライス”だったワケ
プロ野球の日本ハムで同僚に暴力をふるったとして、全試合出場停止処分を受けていた中田翔選手が巨人に無償トレードされました。批判覚悟で獲得に動いた背景を巨人の大塚淳弘副代表は「過ちを犯さない完璧な人間はいない。(中略)野球を辞める覚悟もあるということで、原監督と話して、一人の選手を救わないといけないという話になった」と説明しました。過ちを犯さない完璧な人間はいません。人間は間違えます。相場もまた人が作るものですから間違えます。
環境対応で注目の「サーミスタ」って何?幅広い用途で需要拡大、市場動向を解説
温度を測るニーズが増えている
サーミスタという部品を知っていますか?サーミスタは、温度変化に対して電気抵抗の変化の大きい抵抗体(半導体)で、温度を測定するセンサとして利用されています。なかでもNTCサーミスタは、温度の上昇に対して抵抗が減少するサーミスタで、安価で大量生産が可能であることから、温度センサとして自動車、空調機器、家電、産業機器など幅広い分野で使われています。
年内のドル円は108~110円台のレンジ相場か、米金融政策の行方と為替相場の展望
市場のテーマはFRBのテーパリング完了時期へ
いよいよ米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和縮小のタイミングが近づいてきたと思われます。デルタ変異株の感染拡大といった不透明要因もありますが、この先のFRBの金融政策とドル円の値動きを展望してみたいと思います。
世界の株式市場は「K字型」に、出遅れ日本株の回復ヒントはインドにあり?
日本株にもいずれ経済再開相場が訪れる見通し
足元では、新型コロナウイルスのデルタ型による感染の拡大が世界中で猛威を振るっています。一日あたりの感染者数が過去最多を更新する日本はもちろんのこと、一時期は一定レベルまで感染が落ち着いた欧米諸国でも感染者数が再び増加に転じているケースが散見され、経済・金融市場への影響に予断を許さない状況が続いています。とはいえ、実際の株式相場を見ると、コロナショックが起きた2020年3月当時とは随分と異なっていることが分かります。つまり、グローバルの株式相場が必ずしも総悲観に陥っているわけではなく、株価のパフォーマンスに明暗が分かれているということです。
米FRBテーパリング決定は年内か、今後の米金利と日米株価の動きを徹底予想!
米国株の健全な上昇が続くこと自体は、日本株にもポジティブ
一般に、米国の市場金利の動向と、日米株価の相対的な値動きには一定の関係があることで知られています。それは米国の市場金利が上昇する際に、米国株(S&P500)よりも日本株(TOPIX)の方が上がりやすいという特徴です。また、米国での金利上昇には、景気回復期待の高まりを伴うことが多く、景気に敏感な銘柄が物色される傾向があります。株式市場を構成する銘柄の特徴として、日本株には景気敏感株が多く含まれており、米金利が上昇し、景気敏感株が買われる局面では、日本株が米国株に対して相対的にアウトパフォームしやすいと考えられます。FRB(米連邦準備理事会)は18日、7月のFOMC(連邦公開市場委員会)の議事要旨を公開しました。市場ではテーパリング(金融緩和の縮小)の開始時期にさらなる注目が集まっています。今後の米国の市場金利は上昇へと向かうのでしょうか。
8~9月の日経平均、節目の価格帯は3つ!26,000円台に突入したらどうなる?
今後の展望をチャートと政治イベントから考察
3月以降、米国や欧州の株価指数が歴代最高値圏に位置する中で、日本株の出遅れが鮮明になっています。新型コロナのワクチン政策、経済の回復度合い、自国の政治動向など、さまざまな要因が絡む中ではありますが、日米欧の株価指数のパフォーマンスの違いが顕著になっています。この傾向は今後も続くのでしょうか。日経平均株価のこれまでの動きについて、チャートを中心に簡単に振り返り、今後の節目の価格帯・展望についてみてみましょう。
「ディディ・ショック」で中国のIT業界が“冬の時代”に、規制を強める政府当局の狙いは?
競争の促進と国民の負担軽減で経済の活性化を図る
今年7月2日、中国ネット規制当局は、配車アプリ運営大手の滴滴出行(以下、ディディ)に対して、国家安全を守るための調査を開始すると発表しました。ディディは6月30日に米国ニューヨーク市場でIPOを行ったばかりで、上場前に中国当局は配車で収集した機密データが米国に流出することを懸念して、同社に上場延期を求めていました。ディディは中国当局の意向の背いでIPOを強行したため、配車アプリの配信が停止させられ、これを受けて同社の株価は暴落したほか、米国と香港に上場する中国の大手IT企業の間でも政策リスクを巡って大きな動揺が広がりました。ディディの場合、主に国家安全保障上の事情で規制された格好ですが、中国では昨年から独禁法違反で規制されたIT企業も多く、今回はその背景と中国当局の狙いについて考えてみたいと思います。
デルタ型の猛威で中国「ゼロコロナ戦略」に暗雲、日本株に及ぶ中国リスクとは
日本株への逆風続く
新型コロナウイルスのデルタ型の感染が世界的に広がっています。ワクチン接種で先行する米国や英国では、感染者数は増加しているものの死者数の増加ペースが抑制されていることから、行動制限を緩める動きが続いています。ワクチン接種数が1億回を超え、接種完了率が40%に近づきつつある日本でも、感染の拡大と比較して死者の増加は抑えられています。一方、ワクチン接種が遅れているその他のアジア諸国では感染、死者ともに増加傾向が続いています。これまでアジアでは感染者、死者ともに欧米対比で低い状況が続いていました。しかし今局面では、直近で世界の新規感染者のおよそ2割、死者の3割ほどをアジアが占めるに至っています。こうした中、フィリピンではこれまでで最も厳格なロックダウンが実施されている他、マレーシアやタイなどでもロックダウンが強化されています。コロナの封じ込めを目指してきたオーストラリアでもロックダウンが繰り返されていますが、政権の方針は徐々にワクチン接種の加速へと転換されてきています。<文:ファンドマネージャー 山崎慧>
米テーパリング開始は早くて10月以降、雇用統計と当局発言から年後半のドル円相場を読む
米7月雇用統計直後はドル上昇、米国債利回り上昇
8月6日(金)に発表された米7月雇用統計は、事業所調査ベースによる非農業部門雇用者数(以下、NFP)が前月比94万3千人増と、事前予想中心値の87万人増に比べてかなり強い内容となりました。前月・前々月分は併せて11万9千人上方修正されました。新型コロナウイルスのデルタ変異株感染拡大が世界中で懸念されている中、2月分以降のレジャー部門を中心としたサービス業の堅調な雇用者増が引き続き全体の雇用増をけん引しています。加えて、8月は政府部門雇用者数が24万人増と、1~6月の月平均5万9500人増から大きく上振れしたことも影響したものと思われます。
決算速報!31業種の4~6月期決算を集計、好調なのはどの業種?個別企業もピックアップ
3月決算企業の第1四半期決算発表始まる
東京オリンピックが始まりました。卓球、体操、柔道など数々のスポーツでアスリートの活躍が伝えられています。しかし、深刻なのは新型コロナウイルスの感染再拡大です。 なんとしつこいのでしょうか。日本の1日の感染者数は再び過去最多を更新してしいます。日々多くの方へのワクチン接種が進んでおり、早く感染に歯止めがかかると良いのですが、首都圏や沖縄などで緊急事態宣言が出され飲食店等の営業時間の短縮が求められるなど、一部で経済活動の制限が続くなんとも難しい状況です。こうした中で3月決算の日本企業の第1四半期(4~6月期)の決算発表が始まりました。まだ前半戦といったところで発表したのは全体の3割程度ですが少しずつ傾向が見えてきています。
厳しすぎる世界の“脱炭素ロードマップ”その中身とは?注目のテクノロジーと関連銘柄を一挙紹介
2050年ネットゼロはいかに野心的なのか
「脱炭素」の実現に向けた取り組みは世界的に加速する見通しです。6月開催のG7サミット(主要7ヵ国首脳会議)の共同宣言には、2050年までのCO2ネットゼロ排出、各国の2030年目標へのコミットが盛り込まれました。11月に英国で開催されるCOP26(気候変動枠組み条約締約国会議)では、さらに具体的な取り組みが話し合われると予想されます。そのたたき台になると注目される報告書に、国際エネルギー機関(IEA)が5月に発表した「世界エネルギーセクターのための2050年ネットゼロ・ロードマップ」(以下、報告書)があります。世界で2050年までにエネルギー関連CO2排出量をネットゼロにするシナリオに沿った、エネルギー技術や投資、イノベーションなどに関する野心的かつ実行可能なロードマップです。
2021年後半の日経平均株価はどうなる?月間騰落率と週足終値の相関分析から予想してみた
1950年以降の市場データで徹底分析
今年後半の日経平均株価はどうなるのでしょうか?今回は、月間騰落率と週足終値の相関分析から考察してみます。
日銀も動きだした、日本企業の気候変動対応は待ったなしの理由
企業収益に及ぼすインパクトは増大する可能性
昨年10月の菅首相の所信表明演説における2050年カーボンニュートラル宣言、及び今年4月に発表した2030年度の温室効果ガス排出削減目標で、日本は気候変動問題へのコミットメントを強化しました。これらの野心的な目標の達成に必要となる施策に関する議論が、足元において急ピッチで進んでいます。今回はその中でも特に重要とみられる分野、気候変動対応について、日本の対策を整理していきたいと思います。
日経平均は「年内に3万円回復」、日本経済が直面している“節目”とは
米金利の低位安定で米国株は高値更新へ
7月の世界の株式市場で、株価は比較的堅調な推移をたど辿りました。米国では主要株価指数が再び最高値を更新し、欧州でも独DAX指数が高値を塗り替えました。6月の米FOMC(米連邦公開市場委員会)直後には、米国での金融引き締め前倒しに対する警戒感から、世界の株式市場が一時的な動揺を見せる場面もありました。しかし、それが必ずしも米FRB(連邦準備理事会)のコンセンサスではないことが判明すると、米金利は低位で安定し、株式市場も落ち着きを取り戻しました。低金利下での今後の着実な景気回復への期待が、株価をもう一段押し上げたかたちです。一方で、日本を中心とするアジアの株式市場は、経済再開の遅れなどを理由に冴えない展開となり、株価は欧米のパフォーマンスに見劣りした状態にあります。ただ、こうしたパフォーマンスのギャップが、いわゆる「ワクチン格差」の結果としての「景気格差」によるものならば、いずれ、その問題は解消に向かうと見込まれます。ワクチン接種は時間さえかければ、遅れを埋め合わせることは十分可能で、「経済再開」は世界中に広がっていくと予想されるためです。今のところ、米FRBは急激な金融引き締めを回避する
ブライダル業界の回復はいつ?新型コロナ直撃の現状と今後の見通しを解説
Reopening+αが期待される
ブライダル業界は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた業界の一つです。昨年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から結婚式の延期が相次ぎました。マスメディアではキャンセルという言葉が出ていますが、キャンセル率は低く、大半が延期となったようです。今回は、ブライダル業界の現状と今後の見通しについて解説します。
今、Go Toキャンペーンの再開に注目するべき3つの理由
苦戦した業界に対し“てこ入れ”の期待が高まる
7月23日に東京2020オリンピックが開幕し、各国選手の熱戦が報じられています。足元では新型コロナ感染症への不安感が解消されず、不透明感が強い状況から株価は苦戦している状況です。秋には衆院選があることも踏まえると、今後、政治面での動きが活発化していくことが予想されます。岩井コスモ証券では、(1)ワクチンの接種状況、(2)未消化予算及び補正予算の動向、(3)過去最高となった税収、の3つに注目し、今回のコロナ感染症による負の影響を大きく受けた業界を救済する効果が大きいGo To キャンペーンに注目するべきだと考えています。
日本株の悪材料はほぼ出尽くしか、夏枯れの今こそ“仕込み時”と読む理由
注目すべきは好決算を素直に評価できる相場になっている点
日経平均は本稿執筆時点の20日まで5日続落と冴えない展開が続いています。20日の日経平均は、前日のNYダウ平均が新型コロナウイルスのデルタ型の世界的な感染拡大懸念で700ドル超の下げとなったことを受けて、前日比264円安の2万7,388円と終値ベースで1月6日以来、約半年ぶりの安値に沈みました。もう7月も下旬で今年の後半戦に入っていますが、この半年の上昇分をすべて吐き出し年初の水準に逆戻りした格好です。盛り上がりを欠いたまま開幕を迎える五輪同様、まったく高揚感がないどころか、この日本株相場の動きには虚しさを覚えるばかりです。
米国の消費拡大はコロナ禍の反動だけでなく長期的にも期待できるワケ
コト消費、高額消費に強い回復を期待
2021年1~3月期(1Q)の米実質GDP(確定値)は前期比年率6.4%増と、前2020年10~12月期の同4.3%増から伸びが加速しました。GDPの最大部分を占める個人消費は、同11.4%増と、1960年代以降で2番目に大きく伸長。ワクチン接種の進展や米政府による現金給付等の経済対策が寄与しました。他にも住宅投資は同13.1%増と二桁の伸びが継続し、若い世代による世帯形成やコロナ禍によるライフスタイルの変化等から住宅購入が増加しています。なお、米連邦住宅金融庁が発表した4月の全米住宅価格指数(季節調整済み)は前年同月比で15.7%上昇と、統計のある1991年以降最高の伸び率でした。