景気後退確率は「100%」の水準…、それでも米国景気はマイルドな景気後退で済むと考える理由
悲観派と楽観派それぞれの根拠とは?
25日の米国株式市場でダウ平均は前日比344ドル安と大きく下げました。景気不安の再燃が相場下落の要因でした。今の株式市場の最大の関心事は米国景気の行方ですが、これについては見方が分かれています。米国経済は景気後退が不可避であると主張する向きもあれば、ソフトランディングどころかNoランディング(極端な景気の落ち込みなしに景気が再加速していく)との見方まであります。
いつまで「米ドル買いトレード」は有効なのか米ドル安・円高が本格化する条件とは?
注視すべきFRBの動き
米ドル/円は2022年に、10月にかけて、1米ドル=151円までほぼ一本調子で上昇しました。ところが、2022年10月の151円から下落に転換すると、2022年は下落(米ドル安・円高)と上昇(米ドル高・円安)が、ほぼ1ヵ月ごとに変わる展開が続きました。このように方向感が目まぐるしく変わる相場を、クルクルとよく動く猫の目に例えて「猫の目相場」という呼び方もあります。それにしても、歴史的な円安から円高に転換したとの予想から、米ドルより低い金利の日本円を買うトレード戦略に転換した投資家は、意外に大きく円安に戻す度に、金利と為替差損でダブルパンチを余儀なくされた例もあったようです。私は2023年も、高い金利の米ドルを買うトレード戦略は、もうしばらく有効ではないかと考えているのですが、その理由をこれから述べていきます。
金融不安、終わりの見えない戦争…先行きが不透明な2023年に投資家がウォッチしておくべき情報とは?
アフターコロナ、インフレ、日銀総裁の交代…
コロナが落ち着いて経済が再稼働する一方で、国内では物価高が続いており、国外では米国のシリコンバレー銀行破綻から始まった金融不安や、終わりの見えないウクライナ戦争など不安要素が多く、依然として先行きの不透明感が漂っています。4月には10年にわたり日銀総裁を務めていた黒田総裁が退任し、植田新体制となりました。金融政策の修正が行われるかに注目が集まる一方で、米国では秋頃から利下げフェーズに転換するのではないかとの予想もなされています。2023年に投資家がウォッチしておくべき情報をまとめていきます。
市場再編から1年、上場維持基準を満たしていない企業の課題と変化の兆し
注目される東証フォローアップ会議
2023年に入り、東証の「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」が注目を集めています。前回もお伝えしましたが、東証は上場企業に資本コストや株価への意識改革を促す目的として、「継続的にPBR1.0倍を割れている企業には、開示を強く要請する」としています。PBR1.0割れの企業へ注目が集まる中で、東証のフォローアップ会議ではもう一つ、開示をしている事があります。それは2022年から市場再編が行われ、「市場第一部」「市場第二部」「マザーズ」「ジャスダック」の4市場を再編し、新たに「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場を発足させました。その際、上場維持基準を満たしていない企業でも、新市場にとどまることができる「経過措置」を設けましたが、この措置を2025年3月以降順次終了する事を2023年1月に明記しました。
日銀・植田新総裁のもとで「緩和見直し=円急騰」は起きる?日本の金利による為替への影響を紐解く
アナリストが指摘する「間違い」とは
4月8日(土)の黒田日銀総裁の任期満了に伴う退任を受けて、植田新総裁の体制がスタートします。植田総裁が出席する最初の日銀金融政策決定会合が4月27日(木)〜28日(金)に予定されています。この会合で早速、黒田総裁の下で行われてきた金融緩和の見直しを行う可能性がありそうです。さすがに、最初の会合で金融緩和見直しに動かないとしても、近いうちに行われるとの見方が多いようです。ではその時には、円金利が上昇し、円高に大きく動くことになるのか考えてみたいと思います。
プロ投資家にはない個人投資家のメリット、プロは意外と柔軟な投資判断ができない?
金融アナリストが考える個人投資家の強み
個人投資家には、プロの投資家にはないメリットや強みが存在します。今回はプロに負けない、個人投資家ならではのメリット、強みについてお伝えいたします。
日本はインフレ、米国は利下げ…日本経済の先行きを左右する経済政策で求められていることとは?
日本経済に蔓延るデフレ構造
日本では物価が上昇し、日常生活の中でもインフレを体感する方も増えていると思います。同時に大企業を中心に例年以上の賃上げのニュースも報じられるようになり、長期間にわたって低体温状態だった日本経済もいよいよ活性化するのかと期待感が湧いてくるのですが、一方で米国では複数の銀行が経営破綻するなど、不穏なニュースが報じられています。4月からは10年にわたって日銀総裁を務めた黒田総裁が任期を終え、植田新体制での政策運営が始まります。日本経済の先行きを左右する経済政策について考えてみましょう。
東証が問題視する【PBR1倍割れ企業】に動き、背後にいる「物言う株主」の狙いとは
主なアクティビストの保有銘柄も
3月27日(月)、岡三証券(8609)がストップ高まで買われました。理由は、同社が3月24日(金)に発表した、新中期経営計画と新たな株主還元策を好感したものです。内容は、新たな株主還元策として来期から28年3月期までの中期経営計画期間中に、PBR(株価純資産倍率)が1.0倍を超えるまで、年間10億円以上の自己株式取得を実施する事、及び今期末における記念配当の実施でした。ここで注目されるのが、「PBR1.0倍を超えるまで」という文言の記載です。
SVBショックは本当に収束したのか−−投資家がリスクオフで取るべき戦略とは?
覚えておきたい4つの相場サイクルの特徴
リスクオフとは、金融市場での投資家の態度や状況を表す言葉で、市場参加者が安全な資産に投資をシフトすることを指します。リスクオフの状況で投資家は、株式や高利回りの債券、新興市場通貨など高いリスクを伴う資産を避け、米国債や日本国債、金などより安全な資産に資金を移動させます。リスクオフの動きは、株式市場や為替市場に大きな影響を与えることがあります。先月3月10日(金)のシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻に始まった、金融システムへの懸念に伴う下落は「SVBショック」とも呼ばれていますが、株式が売られた一方で、「有事の安全資産」とも呼ばれる金や、銀行をはじめとした現行の金融システムへの不安からビットコインなどが買われてリスクオフの流れとなりました。株式投資の観点から簡単にまとめると、リスクオフは株安、逆にリスクオンは株高の傾向が強いということです。投資のリスクをチャンスに変えるためにすべきこととしては、リスクオフがなぜ起きたかを把握することと、株式投資であるならば、その際にチャンスがあると考えられるセクターや銘柄をおさえておくことが必要だと考えます。
シリコンバレー銀行の破綻、リーマンショックやその他の金融危機と何が違うのか?
リスクはわれわれの心理にある
シリコンバレー銀行(SVB)破綻に端を発した金融システム不安は欧州に飛び火し、クレディスイスがスイスの大手銀行UBSによる救済合併を受けました。それでも市場の不安心理は収まらず、今度はドイツ銀行の経営不安が取り沙汰され同行の株価は急落しました。売り圧力はドイツ銀行だけにとどまらず、欧州の銀行株は軒並み大幅安となりました。先週末のNY市場は欧州株安を受けて軟調に始まりましたが、終値では前日比プラスで引け、週明けの東京市場も3日ぶりに反発しましたが、上値の重い展開でした。株式市場では金融システム不安が拭い切れていない印象です。市場はいったい、何を恐れているのでしょうか。それはおそらく市場自身もわからないのでしょう。「リスクは定義できればリスクでなくなる」という金言がありますが、まさに今の状況に当てはまる言葉です。「わからない」ということが、いちばん怖いことなのです。
フリーランス保護新法で何が変わる?下請法との関係と発注者・受注者それぞれへの影響
違反があった場合の罰はどうなるのか
2023年2月24日(金)にフリーランスの方を保護するための法案「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案」が閣議決定、国会に提出されました。発注事業者は、あいまいになりがちなフリーランスとのやり取りの中で、違反行為がないか改めて確認する機会になるでしょう。新法には罰則の内容もあります。フリーランスの方ご自身も確認しておくべき事項です。
投資家が見落としがちな【日経平均】が上昇しても持ち株が上がらない要因
全体相場の雰囲気を知る方法とは
証券用語で「騰落レシオ」と呼ばれる指標があります。騰落レシオとは、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率から、市場の過熱感を表すテクニカル指標です。相場は常に上下に動いていますが、しばしば「買われすぎ」または「売られすぎ」の様相を呈しています。騰落レシオは、相場環境が日々どちらに振れているのかを大まかに把握できるので、『相場の体温計』とも呼ばれています。相場の転換点を予測するにも役立ちます。計算方法は以下のとおりです。騰落レシオ = 値上がり銘柄数 ÷ 値下がり銘柄数 × 100(%)
会社員は株式投資をしたほうがいいのか?判断する5つの要素と4つの魅力
2024年からは新NISAもスタート
会社員として働かれている方に、株式投資をした方がいいのか、と聞かれることがこの数年本当に増えました。会社員、と一括りにいっても、それぞれ働き方やライフスタイル、ライフプランなども異なるので、一概に断言はできませんが、同じような悩みを抱えている方のために、今回は会社員が株式投資をすべきなのかについて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
前代未聞のシリコンバレー銀行の破綻劇、原因はSNSだった?FRBの金融政策はどうなっていくのか
たけぞうも未経験の“新しい時代のスタイル”
3月初旬まで強烈に強い相場が続いた日本市場に、突如として襲ったのが米シリコンバレー銀行の破綻の報道でした。私もいくつかの金融危機を経験しましたが、今回はほぼ前触れもなく、銀行が破綻するという、前代未聞の出来事となりました。銀行の破綻としては、アメリカ史上過去2番目の規模です。シリコンバレー銀行がなぜ破綻に至ったのか−−簡単に説明したいと思います。
シリコンバレー銀行の経営破綻はどんな影響があるのか?下落局面で考えたい投資戦略
リーマン・ショックとの違いは
2023年3月10日(金)にアメリカの地方銀行「シリコンバレー銀行(SVB)」が経営破綻したことを受け、この3月13日週は株安が進行しました。株価が下落することに恐怖を覚える方も多いと思いますが、こうした下落局面ではどのような投資戦略をとるべきなのか−−SVBショックから相場の下落局面での立ち振る舞い方を考えていきたいと思います。
東日本大震災から12年、課題を残しながら進む原発再稼働への動き
官民の動きからも現実味
2011年3月11日(金)14時46分に発生した東日本大震災から、早くも12年の年月が経過しようとしています。震源は三陸沖の宮城県牡鹿半島の東南東130km付近、マグニチュードは9.0でした。日本国内観測史上最大規模で世界でも4番目の規模の地震でした。津波による大きな被害があった岩手、宮城、福島3県を中心に死者、行方不明、震災関連死は約2万2,000人にも上ります。当時、皆さんはどこで何をなさっていましたか?
業績悪化で従業員を解雇しているのに、なぜ株価があがるのか?
日本人の感覚では理解しづらい投資の常識・非常識
コロナショック後の回復局面から、インフレ長期化による景気減速懸念へとシフトしていくなかで、昨年2022年くらいから、米大手のITや金融、メーカーやサービス業など幅広い業種において、従業員を解雇する動きを伝えるニュースが目立つようになり、業績回復期待などで株価が上昇するケースもありました。そこで今回は、従業員の解雇によって株価が上昇する現象など、日本人の感覚としてはなじみのなさそうな投資の常識・非常識の一部を解説します。
投資信託や銘柄にも直結する【インフレ】を見極めるための5つの指標
経済指標をおさえるメリットとは
今回は、投資信託や銘柄にも直結する、注目すべきインフレ関連の経済指標について紹介します。インフレ関連の経済指標をおさえることで、3つのメリットが考えられます。