はじめに

親の介護は親の資産の範囲内で行う

親の介護は基本的に親の資産の範囲内で行うと考えましょう。帰省の際にでも親に将来プランを直接聞いてみる、お金の状況もさりげなく聞いてみることをお勧めします。

参考までに、介護費用のデータもご紹介します。生命保険文化センターの調査によると、介護一人当たりの自己負担は、初期費用が47.2万円、1ヶ月当たりの平均額が9万円、介護期間が平均4年7ケ月です。これをもとに計算すると、一人分の介護にかかる自己負担額は平均で、47.2万円+9万円×55ヶ月=542.2万円と計算できます。

ただし、介護費用は個人差が大きいもの。要支援1-2や軽度の介護状態であれば、介護保険を使いながらの在宅介護であれば費用はある程度抑えられますが、要介護度が上がる場合や施設での介護となると費用負担は増していきます。

考慮したいマイナス要因とは?

資産と負債の状況より、住宅ローンを完済した60歳時点の金融資産は7,548万円と仮置きしました。そこから、お子さん2人の教育資金1,281万円を差し引くと、60歳時点での金融資産残高は6,267万円と計算できます。

あくまでも現在の家計状況を元に、ざっと計算しただけですが、今のまま家計を大きく緩めなければ十分に余裕があると考えていいでしょう。

今後の家計を考えるうえで、マイナスの要因としては、お子さんの一人暮らし、教育プランの変更、お子さんの成長による食費や部活動費などの増加、インフレなどが挙げられます。プラスの要因としては、退職金が有れば退職金の上乗せ、資産運用による運用益などが想定されます。60歳以降も働くことで、老後資金や年金額を増やすことも可能です。

インフレやお子さんの成長による自然増の部分は、長期積立分散投資の運用益によってずいぶん克服できると思われます。そして、ご相談者さんの場合、毎月7万円を投資に、1万円を貯蓄していますから、実はすでにいい形ができ上がっています。このまま進んでいきましょう。

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