はじめに
手堅くいくならインデックスファンド
なるべく手間をかけずに、なおかつ堅実に資産運用したい場合は、インデックス運用を行う投資信託に、毎月一定額を投資するという方法があります。
インデックス運用とは、市場平均と同じような動きを目指す運用方法のこと。市場平均は、日経平均やTOPIX、NYダウといった株価指数のことを指します。
このインデックス運用を行う投資信託のことを「インデックスファンド」といいます。「インデックス型投資信託」「パッシブファンド」と呼ばれることもあります。インデックス以外の投資信託は「アクティブファンド」といい、市場平均を上回る運用成績を目指します。が、投資信託によっては市場平均を下回るものも多くあり(もちろん好成績なファンドもあります)、なおかつ手数料が高い傾向にあります。
インデックスファンドに投資すると、市場全体の平均的な運用成績を得ることができ、他の投資信託よりも手数料が安いので、長期的にみると、他の運用方法よりも資産を増やしやすいといわれています。
つみたてNISAなど、税制優遇制度を利用しよう
インデックスファンドは、どの商品も市場平均と同じ動きを目指して運用しますので、同じ株価指数を参考にするファンドであれば、運用成績にほとんど違いはありません。よって、できるだけ手数料が安いものを選ぶことが重要となります。
そこで「つみたてNISA」の出番です。
すでに「つみたてNISA」にご興味があるとのことですが、この制度はインデックス運用に向いています。というのも、つみたてNISAで買うことのできる投資信託は、あらかじめ手数料が安いものが、金融庁による厳しい基準で選ばれているからです。
また、つみたてNISAでは、運用で得た利益が非課税になります。通常の口座では、運用益に20.315%の税金がかかりますので、有利ですね。積み立てられる金額には上限があり、年間40万円まで。20年間積み立てることができます。
ここでインデックス運用のすべてをご紹介することはできませんので、『税金ゼロの資産運用革命(田村正之 著/日本経済新聞出版社)』や『ほったらかし投資術(山崎元 水瀬ケンイチ著/朝日新書)』を参考にして頂くとよいと思います。
iDeCoは老後の資金用
最後に、確定拠出年金を個人型に切り替えて運用されたい、とのこと。個人型の確定拠出年金は「iDeCo」と呼ばれているので、以降はiDeCoと記しますね。
iDeCoは掛け金が全額所得控除され、運用益も非課税、受取時にも税制優遇あり、とお得な制度です。ただし、iDeCoに積み立てたお金は60歳以降引き出すことができません。あくまでも、老後の資金作りのための制度です。掛け金は、無理のない金額にしてください。
掛け金には上限がありますが、5,000円から1,000円単位で自分で決めることができます。会社の年金制度によって異なるのですが、
- 企業年金のある会社員の人であれば年間27万6000円まで、
- 企業型確定拠出年金だけに加入している会社員は年間24万円まで、
- 企業型確定拠出年金と確定給付年金のある会社員は年間14万4000円まで、
- 確定給付年金だけの会社員は年14万4000円まで
となっています。
iDeCoでの運用方法は、基本的に上記の資産運用と同じ方針でよいでしょう。月1万円〜1万5,000円を拠出しようと考えていらっしゃるとのことですが、もしものときの貯金があるのであれば、問題ないように思えます。
ひとつ気がかりなのが、企業型の確定拠出年金をiDeCoへ切り替えるには、自分で切り替えの手続きをする必要があります(移換といいます)。
この移換手続きが6ヶ月以内に行われなかった場合、積み立てたお金の運用はストップし、国民年金基金連合会に移ります。その際、4269円の手数料が発生、4ヶ月を経過すると毎月51円の管理手数料が差し引かれていきます。運用はストップしているので、利息などはつきません。ご質問を読む限り、手続きをされていないようなので、早めに移換の手続きをすることをおすすめします。