はじめに

超高齢社会の到来。人口は減少。給料は上がらない。年金もどうなるか分からない--日本の未来について不安を抱いている方は、決して少なくないと思います。確かに、今のまま何もせず、流れに身を任せていれば、日本はどんどん衰退していくでしょう。

でも、こうした課題を上手に乗り越えることができたら、日本は、これから高齢社会に入っていく先進国をはじめ、環境破壊や交通渋滞に悩む新興国のロールモデルにもなれるはずです。

乗り越えるために私たち個人は何ができるのか。その答えを探るべく、運用会社を傘下に持つスパークス・グループに話を聞きました。


日本初、株式上場した独立系インベストメント・カンパニー

スパークス・グループは現在、投資信託の設定・運用等を行っている「スパークス・アセット・マネジメント」、再生可能エネルギーの発電事業を行っている「スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー」、不動産投資を行っている「スパークス・アセット・トラスト&マネジメント」などを、傘下に擁する持株会社であり、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場に株式を上場しています。

また、日本の証券取引所に株式を上場している、最初の独立系インベストメント・カンパニーでもあります。

最近、個人の間で人気の高い投資信託といえば、東証株価指数(TOPIX)やMSCIコクサイといった株価インデックスとほぼ同じ値動きをするインデックスファンドが中心ですが、スパークス・グループは将来有望な企業、ビジネスを探して投資していく、アクティブ運用を得意としています。

一般に、アクティブ運用はインデックス運用に勝てないと言われています。理由はコストが割高だから。とはいえ、多少コストが割高だとしても、そのコストを吸収して余りあるリターンを実現できれば、アクティブ運用のリターンは、インデックス運用のそれを上回る可能性があります。そして、その可能性を現実のものにするためには、成長力があり、潤沢なキャッシュを生み出せるビジネスを展開している企業を発掘できる目利きが必要です。

スパークス・グループ取締役の深見正敏氏は、グループ運用力の強みを「キャッシュフローの源泉を見つけ、そのビジネスにリーズナブルな価格で投資することにある」と言います。

ただ問題は、何を根拠にして「成長力があり、潤沢なキャッシュを生み出せるビジネスを展開している企業」を見つけることができるのか、ということです。

深見氏は、そのカギを握るのが経営者であると考えています。

「経営者は仮説を立て、ビジネスを実行しますが、すべての仮説が正しいとは限りません。間違ったときは即座に間違いを認め、方針転換できるだけの柔軟な思考が必要です。今進めているビジネスの内容も大事ですが、それとともに、柔軟な思考力を持った経営者であるかどうかが、その企業に投資するかどうかを決めるうえで重要な判断基準になってきます」

これこそがアクティブ運用の強みです。個人投資家が上場企業の経営者と直接経営上の話をするチャンスはほとんどありません。だからこそ、企業経営者と直接面談をし、ビジネス上の強みを見極めて投資するアクティブ運用の存在意義があるのです。さらには日本株への投資で培ったノウハウを生かし、アジア太平洋地域の株式にも投資を始めています。