はじめに

受給スタートは原則60~70歳から選べる

受け取り方には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金の3種類があります。

老齢給付金

掛金を60歳になるまで拠出し、60歳以降に老齢給付金として受け取ることができます。給付開始の時期は60歳から70歳になるまでの好きな時期を選ぶことができます。加入期間が10年に満たない場合は、加入期間に応じて受給開始年齢が60歳よりも遅くなります。50歳以上で加入した場合などは、通算加入者等期間が10年に満たないため、受け取れる年数が繰り下がるので注意しておきましょう。

受け取り方法には「年金形式(分割して受け取る)」か「一時金(一括で受け取る)」「年金と一時金の併用」があります。受け取ったお金は、年金受け取りの場合は雑所得として、一時金の場合は退職所得として課税されます。年金受け取りの場合は公的年金控除の対象となりますが、公的年金と控除枠が同じなので、支払う税金が多くなる可能性もあります。

できるだけ一時金受け取りのほうが控除を受けやすいといえます。一時金受け取りの場合は退職所得控除の対象となります。ただしこちらも会社の退職金と同じ年に受け取ると、控除の枠外となってしまう可能性もあり注意が必要です。

障害給付金

加入者が疾病により障害状態になり一定期間(1年6カ月)を経過した場合には、障害給付金が受給できます。こちらも年金または一時金として受け取ることができます。

死亡一時金

加入者等が死亡した場合には、その遺族が死亡一時金を受給できます。

まずは年金受給額を知り、老後の生活資金のイメージを

公的年金や確定拠出年金について、説明をしてきましたが、「大丈夫そうだ」「足りないかもしれない」という感想は、それぞれ異なると思います。老後に必要な生活資金も、持ち家なのか、賃貸なのかで住居費も変わりますし、出費を抑えることがあまり苦にならない方、親の介護が必要な方など、事情によって、必要な生活資金に個人差は大きく出てきます。

まずは、「ねんきんネット」などで、自分の年金受給額を調べてみましょう。利用するにはまず登録が必要です。基礎年金番号とメールアドレスを使い、登録申請を行います。

「ねんきん定期便」をお持ちの方は、記載のアクセスキーでIDの取得をして利用開始、お持ちでない方は、IDの発行申込をして5営業日ほどかかるようです。少し面倒に思う方もいるかもしれませんが、年金記録のすべてを一覧で見ることができたり、見込額を試算したりする機能もあり、「登録の時間」を惜しまず、活用してみることをおすすめします。

その上で、自分の年金を把握して、老後の生活や、大きな出費などを予想して、定年時に必要な貯蓄額の目安をもち、今からできる資産運用などを検討してみるとよいでしょう。

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