はじめに

子供を医学部に行かせるといくらかかる?

次に、お子様が生まれた場合の影響を考えてみます。お子様が1人生まれる場合、どのくらいお金がかかるのでしょうか。

産休から1年以内には復職したいというご意向ですから、収入がなくなるのは最大でも1年間と仮定します(実際には各種手当等によりそこまで減少することはないでしょう)。また、お子様の教育費は、小学校から高校まですべて公立の場合で約472万円、すべて私立の場合で約1627万円(注1)かかると言われています。

さらに、一般的な大学の場合、国公立であれば4年間で約503万円、私立理系で約808万円(注2)となっています。ご夫婦ともにお医者様ですから、お子様を医学部に行かせたいといった場合、私立医学部に6年間通わせると約3686万円(注3)かかると言われています。

つまり、教育費としては、小学校から大学まで公立の場合で1000万円程度、小学校から私立に行き、大学も私立医学部に行った場合で5300万円程度かかることになります。

注1:文部科学省:平成28年度子供の学習費調査
注2:日本政策金融公庫:平成29年度 教育費負担の実態調査結果
注3:「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果」(文部科学省)および「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号)」

資産運用の必要はなし?

これらをまとめますと、ご相談者様の収入が1年分なくなると600万円、お子様の教育費で1000万円~5300万円程度となり、お子様を一人生むことにより、経済的な負担は合計1600万円~5900万円ほどになると見込まれます。

もちろん、お子様の食費、衣服費など生活費全般がいくらか上昇することが見込まれますが、その影響は教育費などと比べるとそれほど大きくはないでしょう。

59歳時点で3億円近くのご資産が見込まれる状況で、お子様を3人生み、3人共が私立医学部に通ったとしても1億8000万円ほどになり、59歳時点で1億2000万円ほどのご資産が残ることになります。

もちろん、産休からの復帰後、収入が低下してしまうリスク、子育てとの両立が難しく、お仕事を辞めてしまうリスクなどもありますので、そういったリスクに留意しておく必要はあります。

ただ、いずれにしても、現在の収入、支出を前提にするならば、資産運用をしていく必要性は必ずしも高くはないという印象です。

それでも資産運用を始めるなら?

これまで見てきたように、あえてリスクを取って資産運用を始める必要性は必ずしも高くないように思えますが、それでも始めてみたいという場合には、つみたてNISAもしくは確定拠出年金といった税制優遇のある制度から始めるのがよいでしょう。

そして、投資する投資信託としては、世界の株式に幅広く分散投資できるインデックスファンドがおすすめです。具体的には、世界株式インデックスファンド、先進国株式インデックスファンド、新興国株式インデックスファンド、日本株式インデックスファンドといったものになります。


以上、ポイントをまとめますと以下のようになります。

1. 現在の収入、支出を前提にし、留学、出産もない場合には、30年後において3億円程度の資産になることが見込まれます。
2. 留学された場合、留学期間中は、年間960万円の黒字がなくなります。
3. お子様を1人出産することで、経済的な負担は1600万円~5900万円程度と見込まれます。
4. 以上を踏まえますと、資産運用の必要性は必ずしも高くないように見えます。
5. それでも、資産運用を始める場合には、税制優遇のあるつみたてNISA制度や確定拠出年金制度を利用し、世界の株式に幅広く投資できるインデックスファンドを選ぶことをおすすめします。

資産形成の一助となれば幸いです。

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