2018年11月18日、品川・グランドプリンスホテル新高輪内の国際館パミールで開催されたイベント「お金のEXPO 2018」。本イベントでは、お金のプロが「お金が貯まる」「お金を増やせる」賢い方法や、お金に困らないための家計改善の方法、知っていると得をするお金の知識をお伝えしました。

当日開催されたセミナーの中から、本記事では株式会社クレアライフパートナーズ代表取締役社長 工藤将太郎氏によるセミナー「100年時代を生き抜くおカネのマネジメント術~ライフクエストをクリアするための武器の選び方~」についてご紹介します。


厳しい“資産形成”を取り巻く環境

工藤氏: 皆さん、こんにちは。クレア・ライフ・パートナーズの工藤と申します。本日のテーマは、資産運用や投資という難しい話ですので、できるだけ分かりやすくお話しようと思います。

現代社会は情報氾濫時代と言われています。税金、法律、投資、不動産、そして海外の様々なニュースまであらゆる情報をスマートフォンで入手することができる時代です。知ることは簡単ですが、数ある情報から適切な情報を選ぶのは非常に難しくなっています。

平均寿命が延びた現代においては、健康に過ごせなければ意味がないということで、少し前に「健康寿命」という言葉が流行りました。ただ、健康なだけでは意味がないということです。さらに、健康でもお金がなければ何もできないということで「資産寿命」という言葉が最近注目されています。

さらに、私たちが今生きているこの環境というのは「VUCA時代」(※)と言われています。一言で言えば、変化が激しい時代のことです。今日のプレゼンテーションでは、「ライフクエスト」という単語を使わせていただいていますが、お金を取り巻く人生というのは、まさに冒険と言っても過言ではないのではないかと感じています。

※Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた造語

私たちは、こういう不確かな未来に生き抜く力をお客さまと一緒につくっていきたい。お金を増やすことだけではなくて、何があっても対応ができるお金に関する知恵をお客さまと一緒につくっていきたい。これから資産運用をスタートされる方、少し運用してみたけど戦略をちょっと見直していきたいという方、資産運用を始めてまだ日が浅いという方にお役に立っていきたいと思っています。

では、ここから本編に入りたいと思います。改めて、本日のプレゼンのタイトルはLIFE QUEST(ライフクエスト)です。資産運用というのは、本当に「ドラゴンクエスト(以下ドラクエ)」にそっくりだと思います。ドラクエではキャラクターのレベルが上がるように、人間は平等に年に1回年齢というレベルが上がっていきます。HPというのは恐らく皆さんの年収を指します。そして、これまで皆さんが冒険を重ねてきた結果、貯まった貯金がゴールドです。もしかすると、すごく貯まっている方もいらっしゃれば、実はマイナスですという方もいらっしゃるかもしれません。コマンドというのは、「話す」「働く」「遊ぶ」「調べる」等の生活様式に例えられると思います。最後に、装備を選ぶことがライフクエストにおいて武器と防具を選んでいくこと、つまり投資商品を選択する資産形成のことを指していると考えています。

今日は、私たちのお客さまからよく聞かれる質問や、お客さまが陥りやすい間違い、資産運用をやっていく中で大切なポイントというのを3つの“クエスト”としてお話ししていきたいと思います。

クエスト①:分散投資の種類と間違った認識

1つ目の“クエスト”は分散投資です。分散投資は、大きく分けて4つあります。アセットアロケーションと言われる、いわゆる金融資産の分散。アセットロケーションと言われる、国、地域、金融機関の分散。そしてドルコスト平均法、積立投資、長期投資と言われる時間の分散。日本円、アメリカドル、ポンドといった通貨の分散。では、なぜ分散が大切なのでしょうか。それは、リスクヘッジのためです。
リスクというと「危険」というイメージをお持ちの方も中にはいらっしゃいますが、金融でいうリスクというのは「変動幅」のことを指します。ハイリスク・ハイリターンとは、上にも下にも動く可能性が高いもの。ローリスク・ローリターンは、上にも下にも動く可能性が小さいもの。そしてリスクがない状態というのは、リターンもあり得ない状態です。ですので、リスクというのは、怖がるのではなく、意味を正しく理解して、それが自分にとって許容できるかどうか、これを見極めることが大切です。

ではなぜ、分散するとリスクが減るのでしょうか。2003年~2017年までの各資産クラスの収益を見てみると、この期間で最も結果が良かったのは新興国株式です。しかし、2012年頃を見るとガクンと下がっています。これが単一資産に投資した場合です。一方、株と債券を40:60で投資すると、結果として上記より結果は低くなるものの、変動の幅が小さくなります。リスクヘッジというのは、相関性のない2つの資産を組み合わせることによって変動の幅を抑えることが分散投資の考え方になっています。

そして、分散投資が大切なもう一つの理由は収益機会を逃さないことです。投資というのは株であれ、債権であれ、国や企業の成長に対してお金を入れていく行為です。ですので、利回りが低下するということは成長の機会を逃すということになります。日本のGDPと世界のGDPを比較すると、世界の方が高いので、そういう成長期待が高いところへ分散をしていくことが重要になります。

産業構造も変わっていきます。上記は、ナスダックの上位15銘柄です。左側が2000年のものと、右側が2017年のものです。この17年間ずっとこのランキングに入っていて、17年後も同様に入っていた企業というのは4企業しかないのです。これから10年後、15年後に、今1番、2番のAppleとGoogleはここに入っているでしょうか。この問いは誰も答えが出せないと思います。これがVUCA時代の怖さです。産業構造の変化が早いからこのようなことになるのです。ですので、分散というのはリスクを減らすことだけを考えるのではなくて、次の成長はどこで起きるのかを考えていく必要があります。

一般的に言われる分散投資を見てみましょう。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式の4つで運用されています。そのほか、リート(不動産)、コモディティ(金・銀・原油・小麦粉etc)等で構成されるポートフォリオもあります。分散投資は、このように、金融資産で構成されることが多いです。