分散投資については、その考え方を誤解しがちなので、ここでその事例を4つご紹介したいと思います。

1.絶対分散しないといけないと思っている方

特に真面目で勉強家の方に多いです。投資をスタートするときに完璧なポートフォリオを組んでいきたいという思いが強すぎて、「分散をしなければならない」状態になってしまっているのです。しかし、実は資産規模が小さい場合、分散をするより集中したほうが良いというケースもあります。

2.ロボアドバイザーに入れているから分散投資は完璧という方

ロボアドバイザーで運用しているのはタイプ診断です。実際の運用というのは、決められた商品ラインナップの中からそのタイプに合わせて組み合わせが決まっています。この後お話ししますが、皆さんの資産形成において、ずっと組み入れられた商品ラインナップで物事が完結するかというと、必ずしもそうではないわけです。ですからロボアドバイザーを使う場合は、商品の割合をしっかり決める必要があります。

3.株式投資で分散投資をしっかりしていますという方。

例えば、先週株で利益を上げたので利益確定をし、次の株を買う場合。これは分散というよりは、アセットアロケーションではなくてポートフォリオの話になってしまいますので、資産クラスが株から抜け出せないのです。

4.いろんな資産に分散していますと言われる方

気になってとにかく買っちゃうという方も実は比較的いらっしゃいます。もしくは、自分が理解できる商品に投資してしまう方。自分が理解でき、これはおいしそうだなと思うものに投資をしていった結果として、様々な資産に分かれてしまっている状態を分散と思ってしまう方もいらっしゃいます。

そもそも皆さんは分散投資がしたくて投資を始めたわけではないと思います。「資産を増やしたい」、または「損をしたくない」、これが当初の投資の目的のはずです。そして、「資産を増やしたい」にも、「豊かな老後を送りたい」「子供の教育資金を貯めたい」「海外旅行に行きたい」等の目的があるはずです。しかし、目的を持って投資をスタートしたとしても、いざ投資を開始する場面においては、「失敗をしたくない」という気持ちが先立ち、視野が狭くなりがちです。ですので、視野が狭くなったなと思ったら、必ず目的意識を持っていただきたいです。目的を効率的に達成していくために我々は「多極分散」というものが大切だと考えています。

重要なのは「多極分散」

多極分散とは、金融資産と実物資産を組み合わせていくことです。生命保険、不動産投資、株投信どの金融資産も一つだけに投資するのは不十分であると、私たちは考えています。ライフクエスト、資産形成にとって厳しい環境においては、様々な金融資産、実物資産の強みを使っていかなければ、なかなか効率良く目的は達成されません。

資産形成期に大切な多極分散というのは、目的別分散のことを指します。上記の図をご参照ください。青い波は、一般的なご家庭の金融資産残高(貯金)です。一般的にその家計がお金を貯めやすいのは、子供が生まれるまでと子供が独立してご自身が退職するまでの2つの期間しかないと言われています。子育て開始というところから金融資産残高は、急に下がっていきいつの日がゼロを切ってマイナスになってしまいます。子育て期のマイナスをどのようににやりくりしていくかというと、奨学金や学資ローンを充てていくわけです。そして子供が独立した後、自身の退職に向けてまたお金が貯まっていき、退職金の受給で大きく増えます。そして長生きすればさらにお金が必要になりますので、貯金が底をついてしまうと、子供に面倒をみてもらうということになります。

この目的別分散というのは、ライフクエストをクリアしていく中での武器と防具を適切に使うことです。例えば、皆さんも銀行預金や生命保険をお持ちだと思います。また、投資信託を買われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。あるいは、元本確保型の満期の投資商品をお子さま教育資金に準備していたり、将来のことを見据えて不動産投資を早めからスタートとして、インカム収入を準備していく等もあるでしょう。恐らく皆さんこういうことを頭の中で考えながら設計されているのだと思います。それぞれの役割がはっきりしなければ、各商品の強みはなかなか引き出せません。この考え方に共感いただける方には、「目的を考える」順番を大切にしてほしいと思います。