キャリア

「運用で勝つ」ために知っておくべきリアルな現実

イベントレポート

2.人口と経済と株価

面グラフは、1955年の戦後から名目GDPといわれる日本の経済の大きさを示すものです。大阪万博、第二次ベビーブームの辺りで非常に沸いた1970年代に注目すると、名目GDPが大きく増えていっているのを確認いただけると思います。下の数字で確認していただくと、1975年から1995年の20年で、名目GDPは約3倍になっていますし、この間の株式時価総額も、グッと上がって約8倍になっています。さらに日経平均株価を見てみますと1975年は4,342円でしたが、そこから20年で1万9,868円、約4.5倍となっています。

冒頭、日本の人口推移をご覧いただきましたが、この時期の日本の人口はしっかり伸びていました。そうです、人口が増えて経済が成長しているところの株式は伸びてきた、これは戦後の日本が歩んできたリアルな現実だと言えますし、これが株式投資の本質だと思っています。

今は、タイミングで売り買いをして勝てるようなスピードで相場は動いてくれません。コンピューターの発展もあって、高速取引で乱高下するような動きも珍しくなくなりました。実際の運用では、本当に成長しているところにお金を持っていき、その分の成長を時間をかけて株式投資で取り込むというのが一番シンプルな考え方ではないかというように思っています。

じゃあ、今後はどこが成長していくのか。これは皆さんも気になりますよね。そのキーワードは、さっきから出ている「人口」ということになります。

日本は先ほどお話ししたとおり、どんどん人口が減っていく国ですが、世界の人口は増えていっていることは皆さんもご存じだと思います。世界の人口は主役の国が入れ替わりますが、2100年ぐらいまでは人口が増えていくという、かなり精緻な予測が出ています。世界の人口ランキングで直近2015年を見ると、1位が中国、2位がインド、3位がアメリカ。インド株投資をされている方がいらっしゃるかもしれませんけれども、まさに同じストーリーで買っていらっしゃるのではないかと思います。

これが2050年にはどうなるか。インドが中国を抜くんです。でも実は、インドはこの2050年ぐらいがピークだと言われています。
さらにその次は、2050年3位に来ているナイジェリアが来ると言われています。アフリカ最大の産油国です。今はまだ自由に投資ができる環境ではないのですが、いずれ注目されるでしょう。

このように1つの国を選んで、そこにかけていくのもいいんですけれども、どうしても1つの国だと値動きが大きくなってしまいます。中国株、インド株に投資されてる方は経験されていると思いますが、地政学リスク、政治の問題、何かあると大きなダメージを受けることもあり、途中で耐えられなくなってしまうかもしれません。

そこで主役の国が入れ替わりながらも人口が増え、全体のパイが着実に伸びていく、まさに世界全体に目を向けてみるというのはいかがでしょうか。どうしてもわれわれ日本人にとって株式といえば、日本株。この世界株にまだ踏み出せていないという方も多いのではないかと思うのですが、ぜひ一度世界全体にも、目を向けてみていただきたいと思います。

今度は世界の名目GDPと株式の時価総額の推移です。面グラフのブルーの部分が先進国、オレンジの部分が新興国を表しています。今までは先進国を中心に、今後はオレンジの新興国の勢いが増しながら、世界の経済成長は続いていきます。なぜならば、主役の国は入れ替わりながらも人口が増えていくからです。そして、赤の折れ線の世界株式の時価総額もこれに似て、伸びてきました。これからも、世界の経済成長が続くのであれば、この赤い線もやはり伸びていくかもしれません。

これを、なぜだろうと思う方がいらっしゃいましたら、こんなふうに考えてみていただきたいんです。私は「経済というのは、人間の欲望ドラマ」とよくご説明しています。経済の規模を表す名目GDPの約6割は個人の消費です。人口が増えれば、食べ物、着るものが絶対に必要になりますので、消費は増えます。どんな国でも人間という生き物はやっぱり欲がありますから、もっといいもの、もっと便利なものというように欲望ドラマは続いていきます。世界中の企業がそれをビジネスにして、何とか利益を上げようと製品をつくったり、サービスをしたりします。そうすると、企業の利益が上がり、賃金が上がり、株価の上昇につながっていきます。非常にシンプルなことだと思います。

赤い線は株式の時価総額の推移を表していますが、2000年の前くらいのところでグッと下がっています。これはアジア通貨危機、ロシア通貨危機があった1998年です。それでもそれを乗り越えてグッと上がってきました。でも、またドーンと落ちました。これが2008年のリーマンショックです。そしてちょっと戻して、また2010年にちょっと落ちているところが欧州危機です。それでもまた、それを乗り越えて株価はちゃんと上がっていることが見ていただけるんじゃないかと思います。

このように、景気が循環して世界経済が動いていく中で、小さなショック、大きめの危機は代わる代わるやってきます。それでも世界経済と人口が伸びていく。そこに成長があるかぎり、赤い線は上昇して株式は伸びていくと考えます。このことを私は信じていて、そうすると下がったときに買えるんです。逆に信じていないと、結局、怖くて買えないということになってしまうだろうと思っています。実際の運用で成果をあげるためには、実はこれがすごく重要なことだと思います。

ここまでを聞いて「よし、運用だ。国や銘柄を分散できる投資信託というのを使ってみよう」と思ってくださった方が次に困ってしまうのが、今度はどのファンドを選ぶかになってくると思います。

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