はじめに
アクティブファンドのメリット
これはTOPIXの過去10年間のパフォーマンス分析をしたグラフです。10年前から上場している企業は1,695社あります。その1,695社を、縦軸に会社数、横軸にこの10年で出したパフォーマンスをパーセントでプロットし、分布で表しているのがこの棒グラフになります。
この10年間で株価が上昇した企業は0より右にある会社です。1,695社のうち、数えるとなんと1,306社もあるのです。
そしてこの10年間、全銘柄を加重平均して出しているTOPIXのリターンを見てみましょう。10年前の2008年6月末、ちょうどリーマンショック手前ぐらいの時は1,320ポイントでした。2018年6月末は1,730ポイントですから、10年間で31%ぐらい上昇しています。企業の分布を示したグラフに置いてみると、赤い線でしめしているところがTOPIXの位置になります。ちょうど平均ぐらいのところに収れんしていますね。指数は平均を取りに行くというイメージがわかると思います。
では、次に上昇した1,306社を見てみましょう。実は約4割にあたる665社がなんと2倍以上に成長しているのです。中には15倍、16倍となった企業も20社ぐらいあります。これは、結構衝撃ではないかと思います。こういった銘柄をいかに早く見つけるか。そして、見つけたらその配分を増やして持つことができるのがアクティブファンドの強みだと思います。
さらにもう一つつけ加えますと、インデックスファンドの多くは、時価総額の大きい銘柄を中心に組み入れていくのが多いです。こちらの表は、10年前と今の、世界の株式時価総額上位5位までの企業を並べたものです。10年前と今とでは、顔ぶれがガラッと変わっていますよね。この中にある代表的な小売りのAmazon、10年前の株価は72ドルですが、今は2,000ドルです。この10年という時間をかけて27倍になったという事実があります。そしてさらなる衝撃は、次のページをご覧ください。
このAmazonの株価を検証しますと、株価が27倍に上昇したこの10年間、営業日にすると約2,600日ありますが、この2,600日のうち、1日の上昇率の上位わずか5日間を逃すだけでリターンは12倍に低下してしまうのです。そしてもし30日を逃してしまうと、リターンはたった1.5倍にまで低下してしまうのです。
つまり、リターンの大部分はこの30日間が稼いでいたということを示しています。しかし、その30日を当てるということは、とても難しいです。そのため肝心なのは、マーケットに居続けることです。
良い銘柄であれば、不安にならず、長く持っていることで結果として高いリターンを享受できます。これは時価総額が大きくなってから配分が多くなるという、インデックスファンドではなかなか実現できません。アクティブファンドのなせる技です。もし、銘柄として入れ替えたほうがいいというものであれば、入れ替えすることも出来るのがアクティブファンドの強みです。
投資の王道と言われる長期投資は、口で言うほど簡単ではありません。「市場に居続けること。」というのを、しっかりした哲学を持って、長期で実績を出し続けているアクティブファンドで実践してみるというのも運用で成果をあげるための大事な手段の一つです。インデックスファンドと組み合わせいただいてもいいと思います。
今日は、投資について当たり前と思う情報を深掘りすることで、3つのリアルな現実が見えてくる、それを皆さんに知っていただきました。物事を意識的に見るということが、とても重要だということを是非お持ち帰りいただきたいと思います。
今日のお話が、皆さんの何か役に立つことがあればとてもうれしく思います。本日はお時間頂戴しましてどうもありがとうございました。