はじめに

2018年11月18日、品川・グランドプリンスホテル新高輪内の国際館パミールで開催されたイベント「お金のEXPO 2018」。本イベントでは、お金のプロが「お金が貯まる」「お金を増やせる」賢い方法や、お金に困らないための家計改善の方法、知っていると得をするお金の知識をお伝えしました。

当日開催されたセミナーの中から、本記事ではアセットマネジメントOne株式会社投資信託営業本部 投資信託プロモーション第一部長 伊藤雅子氏によるセミナー、「“運用で勝つ”ために知っておくべきリアルな現実」についてご紹介します。


「相場を当てる」=「運用で成果をあげる」ではない

皆さん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました、アセットマネジメントOneの伊藤と申します。私のお時間は、あまり堅くならずにリラックスして進めていきたいと思います。投資は、相場を当てて一喜一憂するギャンブルものではないと思います。ただ、今のような乱高下の環境になりますと、日々の値動きにハラハラドキドキするだけのものになってしまっている気がしてなりません。

では本題に入ります前に、ちょっとお聞きしたいんですが、私どもの会社、アセットマネジメントOneをもともと知っていたという方、どのぐらいいらっしゃいますでしょうか。

(会場挙手)

ああ、うれしいですね。何人かいらっしゃいました。当社は資産運用会社、投資信託をつくって運用をしている会社で、言わば投資信託のメーカーです。私どもでは、直接お客さまに販売は行っておりませんので会社名があまり表に出てこない、聞いたことがないという方もいらっしゃるだろうと思います。

当社は今から2年前に、もともとあった4社の資産運用会社が統合してスタートしたばかりで、親会社は、みずほフィナンシャルグループと第一生命です。運用資産が50兆円規模で日本最大級の資産運用会社になっております。ぜひ、お見知りおきいただければと思います。

さて、本題に入っていきたいと思うのですが、皆さん、運用や投資というと、こういうイメージがないでしょうか。例えば今でしたら、米中の貿易摩擦問題、イギリスがEU離脱でもめています。「ああ、こんなニュースが出たらまた株式が売られちゃう、円高になっちゃう。じゃあ、この先どうなるの?上がるの?下がるの?ああもう、結論だけ教えてよ」。これは私がセミナーでよくお客さまから言われる実際の言葉です。

私は、運用会社に入って15年目になります。マーケットに携わる仕事という意味では、もう20年以上です。本当に思うのは、相場を当てることと実際の運用で成果をあげることは、違うということ。これは、私のマーケット経験の中での教訓でもあります。

例えば、日経平均株価が今から年末には上がると予想して、どんぴしゃり当たったとしても、実際そのとおりに行動ができていなければ現実の利益は出ません。ほとんどの方が「まだ値動きが不安定だから、もうちょっと様子を見てから買う」とおっしゃいますが、そう言ってなかなか買えない。これは私も同じです。こういう仕事をしていても実はなかなか買えません。

では、相場を当てるのではなく、実際の運用で成果をあげるためにはどうしたらいいのか。今日は、それを持って帰っていただきたいと思います。

人口推計から見る資産運用の重要性

今、世の中の変化はすごく早いですよね。変わりゆく日本、変わりゆく世界。その中で、この変化のスピードに対応して、私たちは勝ち残っていかなくてはなりません。それにはまず、世の中にあふれる、当たり前な情報をよく見てリアルな現実に向き合うことが必要です。そして、どうすれば乗り越えられるのかという方法を知り、いち早く実践すること。これに尽きると思っています。

日本の人口推移と見通しです。日本はこれから少子高齢化で人口減少と向き合うという、こういったグラフを1回も見たことがないという方はたぶんいらっしゃらないと思います。これは、われわれにとって当たり前の情報です。でも、そのインパクトがどのぐらいのものなのか、実感を持って言える方は少ないんじゃないかなと思います。

赤い線がちょうど1億人のラインになります。戦後の高度経済成長期から1990年代ぐらいまでは、日本の人口は着実に伸びていたのです。ピークを打ったのが2010年の1億2,800万人です。そこから直近2017年まで7年連続して、既に130万人減少しています。秋田県がちょうど100万人ぐらいの県ですので、秋田県が丸々1個以上減ってしまっているという感じです。しかもここから先、東京オリンピックのわずか35年後、2055年には1億を切ってしまうのです。1,300万人の東京都の人口2つ分ぐらい、わずか35年後にはなくなってしまう。これは相当な衝撃です。

実は世の中のありとあらゆるデータの中で最も予測の精度が高いのは、人口推計だと言われています。この見通しが実現すると、国の社会保障制度も大きく変更されるかもしれません。より自助努力が必要となるかもしれない、ということで、NISA、iDeCoなどの税制優遇制度を用意して、皆さんの資産形成を推奨している、というのが現実なのです。ですから資産運用は、余裕がある人がやったほうがいいというのではなくて、手前味噌ではありますがやらなくてはならないものになりつつあるということも、深掘りをしていくと実感できるのではないかと思います。

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