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膨らむ「教育費」、制度改定の負担増にどう備える?

変わる入試共通テストと新学習指導要領

入学、進級シーズンの4月を控え、家計にとって教育費の負担が気になる季節となりました。教育費は、人生で最もお金がかかる費用の一つです。学習塾や家庭教師など、子供にとって理想的な教育環境を整えようとすれば、子ども一人にかかる教育費は相当なものとなります。

特に今年以降は、私たちの想定よりも高額な教育費がかかる可能性があり、注意が必要です。大学入試共通テストの実施や新たな学習指導要領の施行が2020年度に控えている中、思わぬ教育費の負担が家計に襲いかかるかもしれません。

そこで、まずは教育課程ごとに教育費の変化を確認したいと思います。


国公立大の授業料は平成元年から1.5倍以上に

大学の授業料については、人件費や研究費の高騰、補助金の見直しなどを背景に、全体として値上がり傾向となっています。

図1

文部科学省のデータによると、年間の大学の授業料は平成元年と比較して少なくとも1.5倍以上となっています。国立大学の授業料は、平成元年の33万9,600円から約1.58倍の、53万5,800円となりました。公立大学についても平成元年対比で約1.53倍と、概ね同水準で推移しています。

特に私立大学は授業料の増加が著しく、平成元年の57万584円から約1.62倍の、87万7,735円となりました。平成の期間でならすと、私立大学の授業料は毎年1万円程度のペースで値上がりしていることになります。

今後も大学の授業料が高騰していくとすると、現在の授業料ではなく値上がりのペースも視野に入れた将来の授業料で貯蓄計画を練ることが求められます。

例えば、今年生まれた子供を私立大学に通わせたい場合、大学に入るまでには通常18年かかります。そこで、今年の統計値87万7735円に、入学までに増加すると思われる金額を上乗せします。私立大学の授業料は毎年1万円程度のペースで値上がりしているため、今回は単純計算で18万円程度を上乗せしてみます。そうすると、18年後の予想授業料は毎年およそ107万円程度となります。

このように考えると、18年後の授業料の総額は4年間で428万円ほどになると予測できます。さらに、授業料の他にも、入学金や仕送りも必要となります。全国大学生活協同組合連合会の「第54回学生生活実態調査」から、下宿生の仕送り費用は毎月71,500円程度を見込んでおくと良いでしょう。仕送り額は緩やかな減少傾向が続いているため、現在の統計値を目安に計画を立てておけば十分でしょう。

高校までの教育費は現状横ばいだが…

大学での教育費については、費用の推移を注視することが効果的ですが、高校までの教育費についてはやや事情が異なります。

文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」のデータによると、高校卒業までの教育費は、直近10年間で目立った変化がみられていません。昨今における高校までの教育費は、「私立・公立のどちらに通わせるべきか」という要素が重要になっているようです。

図2

一人の子供が3歳から幼稚園に通い、18歳で高校を卒業するまでの15年間にかかる教育費の平均額(授業料といった学校に支払われる金額のほか、習い事など学校外の教育関連費用を含む)を見てみましょう(図2)。幼稚園から高校まで全て公立の場合、教育費の総額は540万円になります。

一方で、全て私立の場合、教育費の総額は1,770万円に達します。特に顕著な差が現れるのは、私立小学校に通わせる場合です。学校に支払われる金額もさることながら、学習塾などに使われる学校外活動費が年間61.3万円と、公立小学校の年間21.8万円と比較して2.81倍も多くなっています。

ただし、これらの数字はあくまで現在の状況が反映された金額です。今後は教育分野における改革に伴って、教育費が増加傾向に転じるリスクについて理解しておかなければなりません。

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