はじめに

2019年11月17日、お金に関連したあらゆることが学べる、年に1度のイベント「お金のEXPO2019」が開催されました。今後のマーケット見通しや、資産形成のノウハウ、不動産投資など盛りだくさんの内容となった同イベント。

その中から、日本ホールディングスの八尾浩之氏による「誰も知らない 京都不動産投資の魅力」の講演内容をお届けします。

建てられる大きさは東京の約半分

次は、京都市が他市に比べ、非常に厳しいことをお伝えします。容積率制限といい、100坪の土地があれば、その土地に対して何倍まで建物を建てていいかという式があります。

例えば300%の場合は3倍のため、のべ300坪の建物を建てていいことになります。この数字が大きくなるほど、土地が有効利用できるということです。同じ100坪の土地でも、300坪しか建てられない土地もあれば、700坪建てられる土地も。つまり、土地の利用制限です。

nihonhd

この容積率制限が、京都市は非常に厳しいです。商業系と工業系について、京都と東京を比較します。上記の3つは基本的にマンションが建つエリアになります。

京都の場合、近隣商業地域は3倍が最高です。ただ、東京のほうは5倍まで建つため約1.6倍。同じ用途地域、坪数の土地だとしても、東京のほうがボリュームのある建物が建てられます。

2つ目の、商業地域が最も変わってきます。京都の場合、一番容積率が大きい場所で7倍。東京のほうは13倍。約2倍の差があります。商業系の土地の場合、東京のほうが2倍ほどのボリュームがある建物が建ちます。

準工業地域でも、京都が4倍ものが、東京では5倍ということで、やはり、東京のほうが、ボリュームのある建物が建つことになります。

この容積率に最も影響するのが前面道路です。京都というのは、古くからの道が多く残っており、大通りから一歩中に入ると、一方通行が多く、4〜5メートルの道がとても多いです。

商業地域で容積率が7倍ある土地であっても、前面道路が6メートルしかないと、6×6/10ということで3.6倍。これは少ないほうが適用されます。つまり、7倍建つエリアの中でも、前面道路が6メートルしかなければ3.6倍しか建てられません。

京都の場合、同じ商業地でも4〜5メートルといった道が多く、非常に制約がかかります。7倍建つところでも、前面道路が4メートルしかない場合、2.4倍しか建ちません。そういった制限が京都の場合は、もともと厳しいというのがあります。

京都市に新景観政策が施行されたことで、建物の高さ、デザインが厳しく規制されています。平成19年以前と比べ、同じ棟数を建てても供給戸数が減るというのが、今の京都の制限があるための結果になっています。

供給が減ると希少性が京都の物件に出てきます。この政策ができたとき、京都の不動産の価格が下がるのではという声が多くありました。

以前よりも建物が建たず、土地の利用価値が減ることで、京都市の値段が下がっていくイメージがありました。しかし、逆に希少性が出てきたことにより、京都の物件は人気がある状態になっています。