はじめに

2019年11月17日、お金に関連したあらゆることが学べる、年に1度のイベント「お金のEXPO2019」が開催されました。今後のマーケット見通しや、資産形成のノウハウ、不動産投資など盛りだくさんの内容となった同イベント。

その中から、日本ホールディングスの八尾浩之氏による「誰も知らない 京都不動産投資の魅力」の講演内容をお届けします。

学生の街「京都」

需要と供給に関して、東京と京都で比較したところ、東京23区は、2018年に1万5,957室供給。対して京都は1,277室。京都の分譲マンションの供給戸数は、東京の約10分の1の供給戸数です。

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私どもが分譲している40平米以下、1Kタイプや1DK、1LDKタイプになると、さらに少なくなります。2018年、東京23区が12,066室に対して、京都は457室。約26分の1と極端に少なくなっています。単身者用の住まいが不足気味になっているのが京都の実情です。

需要については、京都の人口は147万5,183人。対する東京23区は約1,000万人。人口は6分の1ほどの規模です。全国で790都市あるうち、京都は上から8番目の人口規模になるため、少ない人口ではないということになります。

マンションの供給戸数が10分の1となりますが、人口は6分の1ほど。東京同様、需要があるエリアになっています。また、単身世帯率も全国平均が34.5%ですが、京都は45.3%。非常に単身世帯率も高いエリアです。

20代のひとり暮らしランキングは、東京に次いで2番目。100人あたり約33人と、単身者物件に住まわれる方が非常に多いエリアになっています。

学生比率が全国平均をはるかに上回って京都は突出しています。東京が5.6%、全国平均は2.2%ですが、京都市人口総数に対する学生比率は9.8%。約10人に1人が学生ということになります。

少子化により、定員割れする学校が増えている中、京都市の大学は安定した形で、生徒数を獲得しているエリアになります。

留学生については、全国に比例して、京都も増えています。その理由の1つに、京都先端科学大学が挙げられます。京都学園大学が学校名を変更し、京都先端科学大学となった大学です。

ここは日本電産の永守重信会長が理事長をされています。もとは文学部系の学部が多くありましたが、工学部系の学部を新設し、留学生を受け入れようと、留学生向けの寮も建設されています。

京都の大学に来てもらい、京都の企業で働いてもらおうと、積極的に動いています。こういった背景が、留学生増加に繋がっていると思います。

大学側も生徒獲得のため、様々な努力をしています。キャンパスの新設や、他府県の大学の移設など。最も積極的なのが、同志社大学です。

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本校の北側、御所の近くに新しいキャンパスを作り、今までは、文系の1~2回生は京都府下のほうで学び、3~4回生が本校というような流れでした。

しかし、今後は1~2回生からすべて本校で受け入れるということで、3,800人が転居、下宿している生徒も含め、約4,000人がこのキャンパスができることによって、京都市内のほうに移ってくるということになりました。

このように、京都市の大学関係がいろいろ努力することで生徒数を獲得しています。

IT関係の会社が京都に多く事務所を建てています。サイバーエージェントやLINEなど。どういった理由かというと、京都の学生や留学生を確保したいと考えているようです。

家賃が下がりにくい

基本的に学生数が多く、下宿や、ひとり暮らしをする方が非常に多く存在します。また、京都には任天堂といった有名企業がたくさんあります。大手の銀行もすべて京都市内にあり、そういったところで働く方の賃貸物件の需要が非常に高いです。

供給が少ないため、持っていただく投資用としては、空室率がそもそも低いエリアです。これが京都に持つ魅力だと思います。

つまり、空室が少ないため、家賃をあまり下げなくていいということになります。空室が多くあると、賃貸条件で家賃を下げる動きが出てきます。京都の場合、まとまった空室が出づらいため、そういった部分で家賃が下がりにくいです。

家賃が下がりにくいということは、物件の資産価値が下がりにくいというエリアになるため、京都は投資用マンションを持つにはいいエリアだと思います。