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人口減少の日本で需要が増え続ける「三大都市圏」とは

東京五輪後もマンション価格は安くならない?

2019年11月17日、お金に関連したあらゆることが学べる、年に1度のイベント「お金のEXPO2019」が開催されました。今後のマーケット見通しや、資産形成のノウハウ、不動産投資をテーマにした講演など盛りだくさんの内容となりました。

その中から、東京日商エステム 中山 裕嗣氏による「データで紐解く三大都市圏の不動産投資戦略」の講演内容をお届けします。

リニア新幹線がもたらす生産性

しかしながら日本の総人口が減少していく事は、まぎれもない事実です。国としての動きにどのような計画があるかといいますと、品川・名古屋・大阪をつなぐ、リニア中央新幹線の計画に託されています。

「こんなのスピードが速くなるだけなんじゃない?」と思われる方も多いと思いますが、どれぐらい速くなるかというと、品川駅から名古屋駅へはたったの40分で結ばれます。今まで約1時間半かかっていたところが、たった40分で移動できるようになります。本来40分の移動距離だと、大宮や三鷹や幕張や横浜までしか行けなかったのが、名古屋まで移動できることになります。

その後リニアの延伸は、新大阪駅まで予定されています。品川駅から名古屋駅まで40分、そして名古屋から新大阪まで27分。今までなら約2時間半かかっていたところが、約1時間で行けるようになります。

私の仕事は営業ですので、現在の生活でこの移動時間を想像いたしますと、まず、人と会える回数が増えるなと思いました。

いつもは、1組の方と商談させていただくのに、東京から名古屋には往復3時間、大阪には往復5時間かけて行っていますが、最近は残念な事に泊まりの出張がなくなってしまうほど最終電車も遅くまであるため、遠方への出張でも帰宅で完結して、次の一日の始まりを自宅からスタートさせる事ができています。

それがリニアが開通すると、より移動時間が短縮でき、大阪や名古屋で1組商談が終わり、リニアで東京にすっ飛んで帰ってきてからでも、もう1組東京で商談ができるようになる。そのスピードに体力が追いつくかどうかが心配で、これは想像しただけでも倒れそうです。

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人でしか成し遂げられなかった決裁スピードが早くなり、さまざまな文化圏の方々との交流スピードが上がることで、ビジネスの生産力を高めようという計画につながります。それが国土交通省で今も真面目に語られている「スーパー・メガリージョン構想」です。

各文化圏の異なった都市を一つの地域として一体化し、広域経済圏を創っていくという目標です。要は、決裁済スピードや、生産スピード、物流スピード、これらをスピードアップさせていくことで、少人数ながらも、ますます高収益を打ち出し、経済力を伸ばしていこうとする取り組みが考えられています。

リニア中央新幹線の、名古屋駅開通による経済効果は10.7兆円の増加が予想され、そして新大阪駅まで延伸されたときには、16.8兆円も増加する予想がなされています。

リニアでつなぐこの三大都市圏に、働き手である生産年齢人口を集約させ、日本は今後も益々の経済発展を目指し、さらに人がどんどん集約されていくエリアへと発展していくのではないかと予想されています。

チャンスはまだまだある

東京の不動産は2020年のオリンピックに向け上昇し続けていますが、ここ最近、お客様から一番多いのが「オリンピックが終われば、不動産価格が安くなっちゃうんじゃないの?」「安くなるのを待ったほうがいいんじゃないの?」という内容のご質問です。

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前回、1964年東京オリンピックから開催された後の名目GDPと、住宅地価格の上昇率です。青のグラフをご覧になっていただくと、開催年1964年の5年前にオリンピック開催が決定し、急激な成長率を誇りました。閉会後から「いざなぎ景気」に入ります。

実際のところ、安倍首相が就任されてから2013年にオリンピック開催が決定し、開催まで7年あるのですが、現在、数パーセントしか上昇していないです。

アベノミクスがスタートしてから、日銀がお金を増刷して株価や不動産価格は回復したものの、みんなが一生懸命働いても、実際数パーセントの成長率である理由は、既に、現代はある程度成熟した経済背景であるということです。戦後の真っ白な状態から駆け上った時代と比べると、今はじわりじわりと伸びていっている印象です。

事実、オリンピックの開催が決定してから、給与所得だけの日常生活では好景気の実感はあまりないと思います。給料もそんなに上がっていないし、ボーナスはちょっと増えたかもしれませんが、バブル期のようなジャンジャンお金をつかう印象がないことが今回の特徴です。この状態がじわじわ先延ばしされているからこそ、まだまだ投資チャンスはあると思っています。

不動産はいつ下がる

逆に、不動産の価格が下がってしまう時とはどんな時でしょうか。

都心部で考えますと、見渡せば空地がたくさんあって、まだまだ不動産を建てる未開拓の地がある訳ではありません。ところ狭しと建ち並ぶビルやマンションで埋め尽くされ、もはや飽和状態です。

心配される方々の日常から生まれる発想としては、建築現場を数多く目にすることで、物件が急激に増えている印象から、「需要を追い越した急激な供給量増加によって、安くなるのでは」と考えているのではないでしょうか。

実際に、都心部の不動産というのは、すでに所有権のある方から土地あるいは建物を買い取って、作り替えるしかないです。利便性を追求した駅近マンションを建てたい場合、買い取った不動産を取り壊し、新しいものに建て替えていく方法しかないのです。ですから、不動産が安く販売されるということは、元の不動産を売却される方が安く売りだしてくれないといけません。

弊社は、土地建物を買い取って、元の建物を取り壊し、自社マンションを建て販売しています。「これ、安くしてくれよ」とお客様はおっしゃるんですが、やはり土地は競争の中で価格が上がっていますし、施工費も建設ラッシュで上がっています。

当然、利益が出ないと会社が維持できませんし、お客様へのサービスをより良くしていくため、利益もいただいております。そしてこのようなセミナーを開催させていただく広告費もかかっています。

不動産価格を安くしていくには、元の土地を売ろうとしている方々に、「オリンピックが終わったから半額で買わせてください」と伝えるしかないです。当然「何で?」と言われます。

人口も増えており、周辺では開発が行われ、新しい店舗も立ち並び、益々人気の駅近エリアに人が群がっている状況で「それは、オリンピックが終わったからです」なんて理由は通用しません。

「オリンピックが終わって買いたい人も一気に減っちゃったね」という状況であれば、安くしないといけない訳ですが、個人的に、オリンピックが終わったからという理由で、実家の姫路に帰る予定は全くございません。

2008年秋のリーマンショック後、あれだけ不動産価格が下がったのは、「半沢直樹」というテレビドラマの時代背景ですが、連鎖倒産のおそれから、お互いが信用できなくなり新たな銀行融資が止まったんです。

中小企業の方はつなぎ融資をしないと、給料や代金を払えないし、資材も購入できないので銀行の融資に頼らざるを得ないのです。その銀行が一切貸さない。しかも、貸していたお金を急に返してくれ、と言い出したことで苦しめられ倒産し始めるんです。

その時代の社長様になられたお気持ちで想像してください。お金をつくるためにどうすればいいのか。すごく悩み「お金になるものを売り払おう」となります。いちばん大きなお金になりやすいもの。「そうだ、不動産を売ろう」と思い、保有している不動産を売り急ぎ始める方が続出したんです。

「早く現金にできるのだったらいくらでもいい!」と、投げ売る方が増え過ぎました。「社長、あと3年辛抱すれば、もとに戻りますよ」「いやいや、3年も待てない。あと2カ月で倒産しそうなんだ!」とあちこちで悲鳴が聞こえてきます。

このように、売り手が安くてもいい理由にならないと、みんな安くは売りたくないということです。オリンピックが終わったという理由で、価格の下落が起るかというと、結び付きにくいと思っています。

過去、オリンピックが開催された諸外国、アテネやシドニー、ロンドンのオリンピック後も、やはり住宅価格は上がっていきました。しかし日本は、今回のオリンピックによる住宅価格の回復は、アベノミクスの大胆な金融緩和の割に、非常に勇み足です。
1991年のバブルピーク時のような時代は、高度成長期の終焉を迎えた楽園であり、地獄の始まりでもありました。

今でも人生の先輩の方々は鮮明にあの頃を語られてらっしゃいます。あの時代のトラウマが、現在のこの時代と照らし合わされて心配されてらっしゃるのではないかと思います。景気回復もこれぐらいゆっくり行っていただいたほうが、僕たちのほうでは安心かなと思っています。

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