はじめに
2019年11月17日、お金に関連したあらゆることが学べる、年に1度のイベント「お金のEXPO2019」が開催されました。今後のマーケット見通しや、資産形成のノウハウ、不動産投資をテーマにした講演など盛りだくさんの内容となりました。
その中から、東京日商エステム 中山 裕嗣氏による「データで紐解く三大都市圏の不動産投資戦略」の講演内容をお届けします。
名古屋のコンパクトマンション需要
次は、名古屋です。名古屋は輸出貿易高が日本で一番高いエリアです。今では世界に対抗できる唯一の産業エリアと言っても過言ではないです。ですから世界に名高い有名メーカーが多数拠点を置いています。
東京には本社機能を果たす企業が多く、首都圏であれば川崎ももちろん工場の多い産業エリアになりますが、名古屋発祥のメーカーによる世界を代表する技術力は今後の日本経済の主軸といっても過言ではありません。ですので、全国から優秀な人材がどんどん集まってきています。
しかし名古屋は、東京ほど商業地が分散されてないので、エリア分けが非常に分かりやすいです。おおまかにお伝えすると、名古屋の駅前のエリアと栄という商業地エリア、金のシャチホコがある名古屋城のふもとの行政の機関が立ち並ぶエリア、そしてビジネス街として丸の内エリアに高層ビルが立ち並んでいます。
その中でも、リニアの開通を迎えるにあたって名古屋の駅前が激変しました。この20年間で名古屋駅前のビルが続々と建て替わり、地価が約4割上がりました。
弊社も、名古屋駅前のルーセントタワーに支社がございます。特にその中で注目すべき点は、名古屋市の全世帯の中で45.2%が単身者の方であるというデータです。
そして名古屋市の中心にある中区と言われる場所は、なんと68.7%が単身者の方で構成されているエリアになります。まさに、コンパクトマンションの需要が非常に強いエリアです。
就業人口が集約されている場所は、マンション経営において非常に有利になりますが、なんと名古屋市の中には13万2,246もの事業所が存在しています。これは東京都千代田区、港区、中央区、品川区に存在する事業数を足して、ほぼ同じ数字です。
まさに東京都心をしのぐような企業力が名古屋にはあります。そこに全国から優秀なエンジニアの方たちが転勤でお越しになられることが、マンション経営の底堅さにつながっています。
名古屋市の人口を見てみますと、やはりどんどん人口増が続いています。若い世代が続々と転入してきていますので、自然減にはなっていますが、社会増という形で人口が増えてきています。弊社の新築物件の具体例ですと、21㎡、7帖1Kは、価格1,770万円~、家賃は6万4,000円~。このようなエリア相場になっています。
大阪の物件価格は東京の約半額
最後に大阪です。昨年、大阪万博の開催が決定しました。また、カジノの誘致も積極的に行われています。大阪市街地の特徴は、歩けば迷いにくい都市ということです。
アメリカのニューヨークと似ていて、南北の道を「筋」「アベニュー」、東西の道を「通り」「ストリート」と呼ばれています。駅もそれぞれ等間隔に近い場所にありますので、「迷えばまっすぐ歩け」といわれています。10分もまっすぐ歩けば駅が見えます。
大阪の一番の人気沿線は大阪メトロ「御堂筋線」です。その中で「梅田駅」やJR大阪駅周辺が、大阪の「キタ」と言われるエリアです。そこから「ミナミ」と呼ばれるエリアの心斎橋駅から難波駅まで、一直線でつながっています。
淀屋橋駅は中の島に大阪市役所がありまして、本町駅周辺はオフィスビルが建ち並ぶビジネスエリアとなっており、西日本最大といわれる商業規模になります。訪日外国人の方々にも大人気の町です。
2019年、今年の公示地価や基準地価の発表では、大阪ミナミのど真ん中、グリコの看板で有名な道頓堀が地下上昇率ナンバーワンに輝きました。よくみなさんが大阪旅行の記念写真を撮られるグリコの看板の背後の土地です。
グリコ看板前の橋を渡りきった斜め向かいにあるガラス張りのビルが、「住友商事心斎橋ビル」です。ここがなんと45パーセントも地価が上昇しました。すごいですね。今や「ミナミ」は土地取得の激戦区です。
人口の転入率も堅調で、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山の大阪近隣県から、進学や就職のために移住される方が多いようです。転入数のなかでも特に突出して多い年齢層が「20歳~29歳」の方々です。まさに賃貸マンション需要のターゲット層になっています。
冒頭に戻りますが、大阪万博というワクワクするイベントが待ち構えています。場所は「夢洲(ゆめしま)」という長年放置されていた海沿いの広大な埋め立て地です。大阪万博開催で期待されており、経済波及効果は2.6兆円です。
大阪万博開催後は、計画通りにいけば、跡地に統合型リゾートの開発が待っています。それに伴いまして、経済波及効果が7,600億円、そして雇用創出効果が9.8万人と試算されています。
そして、「キタ」では、JR大阪駅前の広大な敷地である「うめきた2期」工事が始まります。そこには新駅もできますし、路線も延伸されます。三菱地所が先導した巨大な街づくりの開発を行いますので、益々楽しみな街になりますね。
それに伴いまして、延伸された路線を「なにわ筋線」といいます。都市部は「車社会」ではなくて、「路線社会」です。新しい路線や駅が増えると、人がぐんぐん集まります。過去に都市部において、新路線や新駅が出来て地価が下がった事例はありません。伸びしろに大いに期待が出来る街、それが「大阪」です。
弊社分譲の大阪物件の具体例ですが、意外にも東京の約半額で、1,710万円~です。家賃は6.4万円~。「東京で1部屋持つなら、大阪で2部屋持てるんじゃない?」といった発想もできます。今だからこそ投資しやすい金額になっています。