はじめに

コロナ・ショックで、飲食店、スポーツクラブなどさまざまな業態に大きな影響が出ました。とくに厳しかったのが、フリーランスや自営業の人たちでしょうか。会社員のように、固定給ではないし、雇用を保障してくれるわけでもありません。仕事がなくなると言うことは、イコール収入も無くなってしまうと言うことなのです。

働き方が自由で、働いた分が収入として反映されるので、働きがいがあるともいえますが、こういったパンデミックなどの社会的大事件が起こったときには、対応策というのには、限られてきます。

とはいっても、まったく対応策がないわけではありません。節税対策にもなり、もしもの時の融資にもなります。死亡保障の役割にもなり、さらには退職金対策、老後資金にもなるという方法を解説してみます。


国の共済制度、「小規模企業共済」を利用する

「小規模企業共済」を知っていますか? 小規模企業共済とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構(略称「中小機構」)の行っている共済事業が「小規模企業共済」です。つまり国の共済事業ですね。

この共済事業は、中小企業の経営者の退職金のための制度です。

一般的に、企業で勤めている人の多くは、「退職金制度」というのはありますね。しかし経営者や個人事業主の方には退職金というのはありません。フリーランスや個人経営者はずっと頑張ってきて、そろそろ引退をしたいと思っても先立つものがなくては、なかなか仕事も止められないですよね。そこで小規模企業共済を使って退職金を自分で積み立てる制度なのです。

今回は、保険ではなくて共済を使い、フリーランスの人の不安を解消して、安心できる老後のためのお話です。

掛金全額が所得控除になる

「小規模企業共済」制度を利用するメリットは掛金の全額が所得控除になることです。

月額掛金の上限は、7万円です。掛金は1,000円から7万円の間で自由に選択できます(500円単位)。そして、減額も増額も可能です。節税対策に使えるというのは嬉しいですよね。

たとえば、月額7万円の掛金の場合は、年間で84万円です。これが全額所得控除になります。所得税が20%の場合では、なんと25万円2000円の節税ができるのです。所得税20%、住民税10%が控除になるので、84万円×所得税20%=16万8,000円。84万円×住民税10%=8万4,000円。

つまり、16万8,000円+8万4,000円=25万2,000円の税金が戻ってきます。

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