はじめに

はじめての投資 何から手をつければ?

さて、読書とは別に、どのように始めればよいか解説します。まずは、現在の毎月の貯蓄額約10万円のうち、半分の5万円程度を投資資金としてみてはいかがでしょう。保険料の積立てが一般的な個人年金なのか、変額年金なのかにもよりますが、ここでは通常の個人年金として考えると、積極的な運用はまだしていないのではないかと思います。

そこで、5万円のうち、2万円を世界株式型の投信、残り3万円のうち2万円を世界債券型の投信、1万円を金の積立てで運用されてはいかがでしょうか。世界株式型と世界債券型は、コスト面も意識しつつ、毎月積立て型でコツコツ運用を行っていきます。ピーター・リンチの本を読み、インデックス型のものを選んで運用されるとよいと思います。金は、既に過去の最高値を超える水準となってきているものの、コロナによる影響もあり、世界的な金融緩和の状況を考慮するとまだ投資妙味があると考えます。金は利息を生みませんので、値上がり益のみの収益となりますが、今後も10年単位で見た場合に、世界情勢が不確定となりさらに激震が走るようなことも十分考えられますので、お守りとして運用対象に入れておいてはいかがかなと思います。

非課税制度も活用していこう

この他に考えたい視点として、積立NISAやiDeCoをうまく利用すること。例えば、つみたてNISAで年間40万円となるような投資配分を行い、それ以外の部分をiDeCo(個人型確定拠出年金)で投資するといったケースが考えられます。金の積立てはそれらとは別に投資を行います。こうすることで、節税面からも有利な運用が可能です。

つみたてNISAはうまく利用すれば年間40万円の運用を継続して20年間の非課税の恩恵を受けることが可能ですし、iDeCoも老後資金対策として長期的な節税メリットが享受できます。しかもiDeCoの場合には、掛金が全額所得控除の対象となるため、高年収である相談者の場合、メリットが大きいと考えます。できれば控除がうまく利用できるように、年間上限額での運用を心がけるとよいでしょう。その場合には、投資配分の比率を一定保つように、つみたてNISA、iDeCoいずれも世界株式型、世界債券型を半々で運用するなど心がけてください。運用額は5万円と決めなくてもかまいません。ご自身にとってもっともよいと感じる金額で毎月運用されればよいです。

こうした非課税制度をうまく利用し、時間を味方につけた運用をまずは検討ください。その後、さらに資金に余裕がでてくるのであえば、個別の株式投資や不動産など幅を広げていけばよいと思います。

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