はじめに
定期的な「財産ドック」で、今ある資産と運用をチェックしよう
投資のリスクを抑えるには、分散投資が有効です。野球に例えると、個性の異なる9人のメンバーを揃えるようなものです。私の投資スタンスは、1番がセンター株式、2番がセカンドREIT、3番ショートが外貨預金、そして4番がサード不動産です。
なぜ不動産が4番かというと、4番バッターは試合を休まないこと、そしてピンチのときに助けてくれる選手であることが条件だからです。安定した家賃収入があれば、人生のピンチのときにも頼りになります。
日本には今、100歳を超えている人が約6万人います。これからは、もっと増えるでしょう。60歳を超えても、30年40年という長い老後が待っています。これだけ長い老後を支えなければならないのですから、収入源は多い方がいいことは明らかです。
老後の収入源としては、まず給料があります。最近は定年退職後も働き続けるのが一般的です。週に一度でもいいからなるべく長く働いて給与収入を得ましょう。そして第2の収入が年金、そして第3が、資産所得です。
仮にマンションを買って、ローンの返済が終わり、毎月家賃が20万円入るとします。毎月20万円入るということは、お金だけの問題ではありません。自分が自由に使える時間が手に入ることになります。
時給1,000円で10万円稼ぐには、月100時間働く必要があります。その100時間は拘束されているので、自分の時間とはいえません。しかし不動産を持つことで、人は自由な時間を獲得できます。このメリットは非常に大きいと思いませんか。
そのためには、長く付き合える会社から、長く付き合える物件を良い条件で買うことが必要です。不動産は、ハードはもちろん管理や出口戦略といったソフト面も重要なので、信頼できる会社をパートナーとして選ばなければなりません。
選ぶ物件も、なるべく新しい建築技術が採用されている新しい物件が安心です。海外のことわざに「我が家には安物を買うほど余裕がない」というのがあります。安普請を買って、あとで修繕費が高くついたり、価格が下落していくのは結果的に高い買物になってしまうということです。スタートが多少高くついても、良いものは長期で持てば割安となります。
皆さんの多くは、定期的に健康診断や人間ドックを受けているかと思います。最後に私から、年に一度の「財産ドック」をおすすめしたいと思います。自分が今、どのくらい資産を持ち、負債があるのか、その額と内容をチェックするのです。
そして、現在の年収などからどれくらいのローンを組む力があるのか、自分の経済力を定点観測し、客観視しましょう。必要があれば、優良資産と不良資産を入れ替えてください。こうした診断を通して今ある運用を吟味し、新しい投資へのチャレンジも検討していただければと思います。