はじめに
まず支出の把握し「浪費」を見直す
お金を貯めたいということなら、まずご自身の支出の全体像を把握し、そこからムダ支出を見つけることをしなくてはいけません。自分が毎月何にいくら使っているのかお分かりでしょうか。
今回は上記のような家計表となりましたが、これが毎月同じような感じなのか、今回が特別、食費や交際費、被服費が多いのかがわかりませんから、3カ月ほどノートなどに支出を記録してみましょう。そうすると自分のお金の使い方の傾向がわかるはずです。それが分かってから、多すぎる、無駄だといえる支出をカットしていきましょう。
例えば、今回は食費が一人暮らしとしては多いと言える金額です。もし外食ばかりで高くなっているのであれば外食の仕方を変えたり、総菜類や冷凍、レトルトの食材を取り入れるなど、完全な自炊ができなくても工夫はできるはずです。
洗濯は下着以外はクリーニング任せという事ですが、これも同じです。高いと思えるのであれば、アイロンの要らない衣類は自分で洗濯するなどできるはずです。交際費として飲み会が多ければ、全部に参加する必要があるのかどうかを考えて参加の頻度を調整することも必要です。惰性で参加する飲み会代は「浪費」と言えます。また、使途不明金もできるだけ少なくしましょう。
このように、自分にとって価値のある支出はしっかりとする一方で、価値がない、無駄だと思えるものは減らしたり削減したりするというメリハリが、お金を貯める近道です。
今考えられる必要な老後資金は?
相談者さんは現在40歳なので、将来の年金受給額ははっきりしませんが、どのくらいの老後資金が必要なのか考えてみましょう。
厚生年金に40年加入した、平均的な給与をもらっている人の65歳からの年金受給額は、男性で約18万円です。住宅ローンの返済が終わったとして生活費を見てみると、毎月の生活費は
年金18万円-(今の生活費37.9万円-住宅ローン9.5万円)=△10.4万円
10万円以上足りません。ということは、1年で約125万円、10年で約1250万円を貯金から補わなければならないということです。30年となると、約3750万円も必要になってしまいます。
もし支出を見直して毎月の不足額が5万円になったとしたら、1年の補てん額は60万円、30年では1800万円です。支出の見直しをすることは貯金を増やすことのほかに、このような効果もあるのです。
生活費以外の介護医療費も念頭に
ただ老後は生活費を補えればよいというわけではなく、生活以外の介護医療費など生活以外で必要な支出も予定しておかなくてはいけません。その分で500~1000万円ほどを上乗せさせたいところです。
こう考えていくと、もし、支出の削減が5万円ほど可能だと見込めるのであれば、生活の補てん額として1800万円、それ以外で500万円の2300万円を目指して貯めていくとよいでしょう。もし退職金が出るのであれば、それも老後資金に含めて考えて構いません。
当然ですが、必要な生活費が減ると、生活費の補てん額はもっと減ります。年金収入額に支出が近づくほど生活費の補てん額を少なくできます。