はじめに

老後資金作りにはiDeCo等も活用を

生活費を削減できると、老後までに準備する金額が少なくてすむことがお分かりいただけたでしょう。では、その老後資金を貯めるにはどうするとよいでしょうか。

まずは生活費を少なくし、余剰金を貯めることです。ただ、貯めるといっても今は超低金利の時代です。貯金をしていてもなかなかお金は増えません。ですから貯金をしつつ、一部を投資しして、効率よく増やしていくことを検討しましょう。

投資は、iDeCoやつみたてNISAなど、国が勧める非課税制度を利用することをお勧めします。iDeCoは、会社員は企業年金の加入状況により最大2万3000円を積立投資できます。60歳まで引き出せないという条件がありますが、掛け金が全額所得控除、運用益が非課税になるという制度です。今では60歳までしか積み立てられませんが、2022年4月からは65歳まで積み立てることが可能になります。つみたてNISAは金融庁が認めた投資信託などと、投資商品が定められており、運用益が非課税となる長期投資制度です。

貯金だけと比べて大きな差が出る

例えばiDeCoを利用し、月の上限額2万3000円の掛け金で積立投資をした場合、仮に3%の運用益が出たとしたら、20年で約750万円、25年で約1020万円になります。運用益は一定ではなくその都度変わるので金額も多少前後しますが、このような見通しが立てられるのです。これがもし貯金しただけなら、20年で552万円、25年で690万円です。かなりの差が出ます。

もっと効率よく貯めていきたいのであれば、更につみたてNISAで投資額を増やすなどしてもよいでしょう。つみたてNISAは2042年末まで投資できます。2023年までに開始すると、20年間、非課税投資ができます。

ただし、どんなに良いとお勧めしてもその掛け金をねん出できる家計づくりが第一です。まずは支出を見直し、貯金と投資をしていくだけの余剰金が出せるようにしていきましょう。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事の感想を教えてください。