はじめに

ずっと独身の前提で話すには、29歳は若すぎます

お金の話に入る前に、ちょっと気になったことからお話をさせてください。ご相談者さんは現在29歳です。厚生労働省の令和元年度の調査によると、女性の平均初婚年齢は29.6歳。ちょうどご相談者さんの年齢です。東京都だけに絞ってデータを見ると30.5歳が女性の平均初婚年齢ですから、ご相談者さんはまだ東京都の平均にも達していません。

「このままずっと独身だった場合」という前提に立つには、早すぎるのではないかと思ってしまいました。

もちろん、「結婚したくない」こともありますし、結婚しなくてはいけない理由もありませんから、ここからはずっと独身だった場合にやっていけるかを、家計の面から考えていくこととします。

29歳にしてマンション購入済みの立派な家計

家計を拝見して、最初に感心したのが、29歳にしてすでにマンションを購入済という事です。40歳前後になって、貯金も貯まったところで購入を決める人はときどきいますが、29歳でマンションを購入し、そのうえで貯金も1,100万円お持ちです。この決定力と、継続的にお金を貯めてきた努力は素晴らしいことです。なかなかできることではありません。

住宅ローンの残債は約2,000万円。ひと月の住居費が10万円で、ここには管理費や修繕積立金も含まれていると考えると、ローンの返済は月額8万5,000円ほどでしょうか。金利1%と仮定すると、あと22年ほど返済が続くイメージだと思われます。途中で繰り上げ返済をしない前提で51歳にローンを完済できる計算になります。

この前提に立った場合、住宅ローンを完済してからは月々8万5,000円の返済が不要になります。この住居費の差額だけでも、51歳から60歳までの9年間で、8万5,000円×12ヵ月×9年=918万円が貯められることになります。

60歳で4,000万円は貯められる

「老後資金として4,000万円貯めたい」というご希望に従って、この目標を目指してみることとします。

現在の貯蓄残高が1,100万円、51歳からは住居費の差額で約900万円の貯蓄が上乗せできることがすでに分かっているので、あとは29歳から60歳までの31年間で差額の2,000万円を貯められればいいことになります。

2,000万円÷31年=64万5,000円。これからの31年間、毎年64万5,000円のペースで貯蓄ができれば、目標を達成できる見込みです。

最近はコロナの影響もあり残業がないということで、月額25万円の生活費に収入が追い付かず、貯蓄を取り崩すこともあるという事でした。しかし、コロナ以前には、残業が多い月には月に10万円貯められていましたし、ボーナスからは大体100万円貯められていました。

年間64万5,000円という事は、ボーナスから50万円貯められたら、月々の貯蓄は1万円あまりでいいことになります。ボーナスから30万円貯める場合には、月々3万円ずつの貯蓄となります。コロナが落ち着きさえすれば、たとえいままで程の残業ができなくても、目標額は上回れそうな気がしませんか。

また、現在お勤めの会社に退職金がある場合には、さらに貯蓄は上乗せできます。60歳で退職せずに65歳まで働けるなら、さらに貯蓄は増やせますし、必要な老後資金はもっと少なく見積もることができるでしょう。

いずれにしても、老後資金についてあまり心配する必要がないことをお判りいただけたのではないでしょうか。