はじめに

お金を増やす基本は「長期・積立・分散投資」で

いざという時のために貯蓄も大切ですが、長生き時代に備えるためには、お金を貯めると同時にお金を増やす努力もしていく必要があります。

お金を増やすための基本は、「長期・分散・積立」ですが、それは市場が危機に直面する時でも変わりません。iDeCo・つみたてNISAは、一般の人でも「長期・分散・積立」投資が手軽にできる制度設計になっています。

iDeCoは、税制優遇を受けながら自分年金作りができる制度で、「掛金の拠出時」「運用中」「受け取り時」の3つの場面で税制優遇があります。

iDeCoの掛け金は、全額を所得控除できます。掛金全額が所得控除にカウントできることにより、所得税を計算する元となる課税所得が減るので、所得税を減らすことができます。ちなみに、翌年支払う住民税も減らすことができます。

また、iDeCoでは定期預金や投資信託などを積み立てていきますが、積立期間中は運用益は非課税になります。利益に対して非課税ということは、それだけ多くのお金を運用に回すことができるので、利息が利息を生む複利効果も期待できます。

さらに、iDeCoは原則60歳から受け取りますが、受け取り時にも「退職所得控除」や「公的年金等控除」といった退職金や公的年金を受け取る時と同様の税制優遇が適用になり、お得に年金を受け取ることができます。

iDeCoは、税制優遇のメリットを享受しながら自分年金を準備できる優れた制度なのですが、不便な点もあります。それは、iDeCoで積み立てたお金は基本的に60歳まで引き出すことができないところや会社員や公務員は、掛金の拠出額に月1万2,000円から2万3,000円という制限があるところ、また、家計の状況が変化して、積立をストップしたり、掛け金を変更したりする時に手続が面倒だったり、手数料がかかったりするところです。

そこで、iDeCoと併用して活用したいのが、「つみたてNISA」です。

つみたてNISAは、2018年から2037年(2042年まで延長予定)までの20年間投資をすることができ、非課税投資上限額40万円から得られた投資の利益が20年間非課税になります。つまり、最大の非課税金額は800万円となります。一般NISAと違い、一括投資は認められておらず、積立投資のみ認められています。投資できる金融商品は、個人が中長期的に安定的に資産形成できると国が判断した投資信託、ETFになっています。もちろん、基準を満たした金融商品がすべて値上がりするとは限りません。しかし、明らかに初心者に不向きなものや積み立て投資に適さないものは除かれるので、投資先を選びやすくなります。

また、iDeCoとは違い、つみたてNISAは、いつでも自由に売買できます。加えて、家計の状況に応じて、簡単に積立をストップしたり、掛け金を変更したりすることもできます。

家計に余力があるという方は、株の積立も検討してみてみましょう。

株式投資もコツコツ積み立てることが可能です。例えば、野村証券や大和証券などの「るいとう(株式累積投資)」、auカブコム証券の「プレミアム積立(プチ株)」、One Tap BUYの「積み株(米国株)」などがあります。

るいとうは月1万円以上1000円単位を購入していく仕組み、プチ株は月500円以上1円単位を購入していく仕組み、積み株は月1000円から1000円単位を購入していく仕組みです。

最初は日本株からトライして、慣れてきたら米国株を積み立てるのも良いでしょう。米国株に投資というと、ハードルが一気に高くなると思いますが、Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftなどのいわゆる世界を牽引する米国の巨大テクノロジー企業のような超有望銘柄を少額でコツコツ積み立て購入できるので、初心者の方でもトライしやすいでしょう。

コロナの影響もあり、2021年も先行き不透明ではありますが、攻めと守り両方のバランスを取りながら乗り切っていきましょう。

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