はじめに
資金流出入、純資産総額の水準にも要注意
ここからさらに投資対象候補を絞るためには、純資産総額や資金の流出入を調べます。つみたてNISAは一度解約すると、その枠は二度と使えません。それは積み立てている投資信託が繰上償還措置を取った時も当てはまります。
繰上償還とは、何らかの理由でファンドの運用継続が困難になった時、投資信託会社の判断で、償還期日がまだ先なのに強制的に償還されてしまうことです。繰上償還されたらそのファンドでの積立は出来なくなります。したがって、繰上償還されるリスクが出来るだけ小さいファンドを選ぶ必要があります。
そのためには、現在の純資産総額がある程度のサイズで、かつ継続的に資金が流入しているものを選ぶのが無難です。ちなみに「ある程度のサイズ」がいくらなのかですが、最低でも50億円程度、出来れば100億円程度は欲しいところです。
この条件を当てはめると、候補ファンドをさらに絞り込めます。ちなみに前出の①~④までの条件を満たしているインデックスファンドのうち、純資産総額が100億円以上で、かつ1年間継続して資金純増となっているファンドは、
「SBI全世界株式インデックスファンド」(SBIアセットマネジメント)
「野村つみたて外国株投信」(野村アセットマネジメント)
「三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)
「eMAXIS slim全世界株式(オールカントリー)」(三菱UFJ国際投信)
「eMAXIS 全世界株式インデックス」(三菱UFJ国際投信)
「つみたて先進国株式」(三菱UFJ国際投信)
以上の6本になります。
投資経験者で他にもさまざまな資産クラスに分散投資している場合は、必ずしもこの方法に沿う必要はありません。自分のポートフォリオを改善させるために、たとえば日本株のアクティブファンドで積立投資するのもひとつの手です。
でも、投資経験が全くなく、つみたてNISAの申し込みを機会に投資を始めるなら、まずはベースとなるリスク資産を持つべきです。それは奇をてらったものである必要はなく、「世界中の株式に分散投資する」というオーソドックスなタイプを1本持てば十分です。
1回目:「つみたてNISA」って何?基本の仕組みを解説「老後はつみたてNISAだけですべてが解決するわけではありません」
3回目「「つみたてNISAの基本」積立投資は本当にリスクが少ない?勧められるワケ」