はじめに
投資にはリスクとリターンがつきもの
投資には、リスクがあります。リスクと言っても様々ありますが、ここでは主に価格変動リスクや信用リスクを指します。リスクとリターンには、トレードオフの関係(比例の関係)があり、リスクが大きいほど、儲かる可能性も、逆に損をする可能性も大きくなります。リスクが大きいことを「ハイリスク・ハイリターン」、逆に小さいことを「ローリスク・ローリターン」といいます。
リスクは、金融商品によって異なります。たとえば、預貯金であれば元本保証がある一方でほとんど増えないのですから、リスクはとても低いのです。一方、株式やFXのような投資では、極端にいえば、元手が2倍、3倍になる可能性がある一方で、投資したお金が戻ってこなくなるほどの損失を抱えてしまう可能性もあるのです。また、投資信託では、どんな商品を組み入れているかによってリスクやリターンが異なります。
なお、もし「ローリスク・ハイリターン」という商品をすすめられたら、それは詐欺の可能性が高いですから、投資すべきではありません。もし周りで、そんな囁きが聞こえたら要注意です。なぜ「ローリスク・ハイリターン」の商品をその人は独り占めしないのでしょうか?
なぜ投資初心者であるあなたに教えるのでしょうか? 楽して、リスクを取らずして、儲ける商品は無いと考えるべきです。
もしそんな勧誘があった場合は、「ポンジスキーム」を疑いましょう。
ポンジスキームとは、通常、「出資者全員のお金を集めて運用し、その利益を出資金に応じて配当金として還元する」という建前になっています。こう読むと、投資信託に似ていますね。しかし実際は、運用は行われず、後から参加する別の出資者から集めたお金を、一部の運営者が着服し、残ったお金をそれ以前の出資者に配当金と偽って渡しています。
このように集めたお金を自転車操業的に横流ししていますので、いずれお金がなくなり破綻します。破綻すれば、出資者のお金は戻ってこないというわけです。
リスクとリターンはどの商品を組み合わせるかによっても変わる
リスクの低いものばかりに投資をしてしまうと、お金がなかなか増えません。かといって、リスクの高いものばかりに投資してしまうと、今度はお金が減ってしまう可能性があります。自分がいつまでにいくら貯めたいかを考えて、そのために必要な投資先、あるいは制度を検討するようにしましょう。
また、リスクとリターンは、どの商品を組み合わせるかによって変わります。この商品の組み合わせのことをポートフォリオといいます。自分の目標やリスク許容度(いくらまで損に耐えられるか)を踏まえて、自分だけのポートフォリオを考えて作ることが大切です。