はじめに

そもそも確定拠出年金とは?

まず、確定拠出年金そのものについてですが、その名の通り年金制度ですので、60歳になるまでは引き出すことができません。積み立てた掛け金は所得控除が受けられ、積み立て投資で運用益が出ても、その利益には税金がかからないというダブルの節税効果が得られます。

引き出すときは一括で受け取るか、年金形式で受け取るか、またはその合わせ技で受け取るかを選ぶことができます。一時金で受け取る場合は退職所得控除が適用されます。年金形式で受け取る場合も公的年金等控除の対象となります。状況によりことなりますが、一時金で受け取るほうが節税的に有利と言われることが多いです。会社の退職金が多くあり、確定拠出年金の利益も大きい場合は、退職所得控除の枠を超えてしまうことがあるので、一時金と年金形式を併用して受け取る額をコントロールしていくと良いでしょう。

会社によってはiDeCoを利用できないことも

現在、どのような企業型確定拠出年金の制度なのかによりますが、会社側が企業型確定拠出年金の制度の利用を前提にしており、iDeCoの利用を認めていないところもあります。また、iDeCoは口座管理手数料を個人で負担しなければなりません。金融機関によって異なりますが、毎月66〜600円程度の費用がかかります。企業型確定拠出年金であればこの口座管理手数料は企業が負担しているので個人の持ち出しはありません。

企業型確定拠出年金をやめて個人型を始めるべき?

相談者さまが気にしている、「企業型確定拠出年金をやめて個人型確定拠出年金を始めるべきか」についてですが、基本的には今変える必要はないでしょう。企業型確定拠出年金は、選べる投資信託が企業が選定したものに限定されるなどのデメリットがありますが、一方で口座管理手数料がかからないなどのメリットがあるからです。

会社を辞めた場合は、転職先に企業型確定拠出年金制度がある場合は転職先の制度に加入することになります。転職先に企業型確定拠出年金の制度がない場合は、iDeCoにスライドすることができます。運営管理機関は転職前と同じものを選んでも良いですし、自分で別の金融機関を選んでもかまいません。その場合は、一旦切り替えのタイミングの評価額で現金化され、移った口座で再度投資信託などを選んでポートフォリオを組み直すことになります。その時に市況が悪いと、短絡的に「現金化された時点で、損失がでている場合に元本割れした」ということになりますが、長期投資の一場面でしかないので気にしなくて良いと思います。あくまで60歳を超えた時点で利益が出ていれば問題ありません。

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