はじめに
会社員の拠出額の上限は?
企業型確定拠出年金は、他の企業年金制度(確定給付年金など)がある場合は、月額2万7,500円が多く、他の企業年金がない場合月額5万5,000円が上限となります。
iDeCoの場合は、企業型確定拠出年金のない会社の社員は月額2万3,000円が拠出上限になります。企業型確定拠出年金に加入している場合、月額2万円が上限になり、確定給付型年金に加入していたり、公務員の場合は1万2,000円が上限になります。企業型確定拠出年金よりiDeCoのほうが掛け金の上限が少なくなることで、ドルコスト平均法(定額を積み立てること)が崩れてしまう場合があります。
退職後の手続きに注意を
いずれにしても、企業型確定拠出年金の制度があればその制度を利用した方が得なことが多いでしょう。ただ、あまりにも企業が取り扱っている商品がひどい場合は、iDeCoでも問題ありません。
気をつけないといけないのが、退職して企業型確定拠出年金の加入権利がなくなったあと放置をしている人です。必要な手続きを取らないまま6カ月を過ぎると、国民年金基金連合会に年金資産が自動移管されます。
年金資産が自動移換されると、それまで投資信託などで運用していた資産は売却されて現金化されます。そして、移換中は確定拠出年金の加入期間に算入されず、将来引き出す時に、退職所得控除の期間が少なくなり不利になります。また確定拠出年金は基本的に10年以上の加入がベースになるので、引き出せる時期が60歳より遅くなる可能性もあります。
また、自動移換の際に数千円の事務手数料がかかり、毎月51円ずつの手数料が資産から引かれます。現金として預けられることになるので運用益はつかない上に、毎月の手数料がかかれば、資産は目減り続けていき、残高が無くなるか、または給付金を受け取るまでずっと手数料を払い続けることになります。国民年金基金連合会に移管されたままでは老齢給付金や障害給付金を受け取ることもできませんので、早めに手続きを取る方が良いでしょう。