はじめに

なぜ今後はバリュー株が優位となるのか

では、なぜ今後はバリュー株が優位となる予想なのかを説明しましょう。次の図で、成長(グロース)株の“価値”について考えてみます。

図の左側(緑)はこれまで続いている金利が低い時代のグロース株の価値についてです。グロース企業は遠い将来に大きな利益が得られるものと期待されます(矢印(A))。現在の株式の価値を考えるには、現在の利益に加えて、期待されている将来の利益を現在ベースに換算する必要があります。

もうすこし分かりやすく説明しましょう。例えば、今1万円をもらうのと遠い将来に1万円をもらうのではどちらが嬉しいでしょうか。「今もらうとすぐ無駄使いしてしまうから、将来もらった方が良い」と思う人もいるかもしれません。そうだとしても、遠い将来まで使えないなら、銀行に預けたりする分の利息も合わせて将来受け取りたいと思うのではないでしょうか。これは「今の1万円は遠い将来は1万円+利息分と同じ価値」ということになります。この利息については金利が低い時代なら少なく、金利が高い時代なら多くなります。

これを別の面から見てみましょう。例えば将来1万円を受け取るには、今、いくら預金すればよいでしょうか?金利が高くて受け取る利息が多いなら今、預金する必要の金額は少なくて済むはずです。対照的に金利が低くて受け取る利息が少ないなら、預金が多くなければなりません。これが経済学的に言えば、「割り引き」価値の考え方です。

話をグロース株に戻します。金利が低い時には、期待されている遠い利益を割り引いて現在の価値になおしても(図の(B))、割り引きで引かれる額が大きくはなりません(図の(C))。しかし、金利が高くなると、割り引いた価値が小さくなります(図の(E))。つまり、「金利が低い時はグロース株の価値が高いですが、金利が高まるとグロース株の価値は下がる」ということです(図の(C)と(E)の大きさの違い)。

先の「金利とバリュー株指数÷グロース株指数」のグラフを振り返ってみましょう。足元の金利が上昇したことで、グロース株の魅力度が下がると同時に、相対的なバリュー株の魅力が高まりバリュー株のパフォーマンスが良くなりました。これが足元のバリュー株指数÷グロース株指数の反発です。