はじめに

まずはリスク予備金を確保しましょう

ご相談者さんご自身も「反省している」と書いていらっしゃいますが、45歳で35年ローンを組んでいるということは、ローンの完済予定は80歳。完済までの道のりは長く、これから積極的に繰り上げ返済をしていく必要があります。現在の返済額は月額7万7,000円ということですが、これは金利が0.52%の超低金利だからこそ。おそらく変動金利だと思われますので、金利が上昇したら月々の返済額も増加していきます。

とはいえ、現在の家計には貯蓄がありません。家計としてはある程度のリスク予備資金を貯蓄として備えておかないと、体調を崩して働けなくなった場合など不測の事態にも対応できなくなってしまいます。そのため、当面はリスクに備えた貯蓄の確保を最優先して、繰上げ返済は後回しとするしかないでしょう。

毎月3万円の貯蓄と、ボーナスから70万円の貯蓄をあわせると年間で106万円を貯められます。2021~2023年の3年間この貯蓄を継続すると、リスク予備資金として318万円が用意でき、約10カ月分の生活費が確保できることになります。

中学生のお子さん2人の教育費

ご相談者さんには、15歳と13歳の中学生のお子さんがいます。子ども達の教育費は学資保険に加入済で住宅購入時にも手をつけずにおいたのはよかったですね。おかげで学資として将来600万円を用意できる見込みです。

お子さんの希望進路にもよりますが、仮に私立大学文系に進学した場合、4年間の学費は約550万円。2人分では1,100万円となります。600万円は確保済みなので、これからあと500万円(250万円×2人)を、お子さん達が大学に通う6年間で家計から補う必要があります。1カ月あたりに家計から出す金額は、500万円÷6年間÷12カ月=約7万円となります。

大きな金額に感じますが、現在、家計の中で大きな金額を占める保険料6万3,000円には2人分の学資保険の保険料が含まれているはず。お子さんが大学に入るタイミングでは学資保険の保険料の支払いは終わると思うので、その金額を大学資金の不足分に回すことができます。また、いま毎月かかっている教育費3万5,000円も大学の不足分に回せます。

これで私立文系4年間の授業料までは、何とか親として用意してあげる目途が立ちました。ここまでできれば親としての務めは十分です。もし、お子さんが学費の高い私立理系学部や芸術系への進学を希望する場合や、ひとり暮らしをしたいといった場合には、お子さん自身が奨学金を利用するなどして、自分の力でやってもらいましょう。

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