はじめに

住宅ローンの返済と投資のポートフォリオはどうするべきか?

住宅ローンの返済についても、現在お考えになられているように、基本的には繰り上げ返済を行わず、できるだけ長く借りて、手元の資金は積極的に運用していくという方針でよろしいかと思います。

ただし、現在の住宅ローンの借入金利は0.65%ということですから、この金利よりも低い利回りの金融資産を多く保有し続けるのであれば、繰り上げ返済してく方がよいでしょう。つまり、現在の貯蓄は3,800万円ということですが、1つの考え方として、これを年間生活費程度の800~1,000万円程度に縮小し、残りを投資にまわしていくという選択肢もあるかと思います。投資金額を多くすることにより、さらに資産の拡大を期待することが可能になります。

また、現在は投資が1銘柄に集中しているとのことですが、やはり個別銘柄のリスクは高いので、インデックスファンドなどを活用して世界の幅広い株式へ十分に分散したポートフォリオにしていくことがリスク管理の観点からは重要だと思います。

不動産への投資も一つの選択肢

一方、株式などの有価証券のマーケット価格は日々変動しますので、その変動リスクを低減させたいということであれば、現物の不動産への投資を検討されるのも1つの選択肢になるかと思います。不動産も長期的には価格の変動はありますが、その価格変動は株式市場のように日々報道されるものでもありませんし、定期的な家賃収入が見込めますので、アセットクラスの分散になります。

ただし、日本全体で見れば今後は人口が減少していくことが見込まれていますので、家賃が下落しづらいと考えられる東京都心部など、立地を重視しての物件選定をおすすめ致します。

今回のアドバイスのポイントは3つ

以上、ポイントをまとめますと以下のようになります。

●今後の収支および資産残高の推移を確認する限り、ご相談者様の収入をゼロという最も保守的な想定であったとしても、現在のライフプランを実現していける可能性は非常に高いと考えられます。
●住宅ローンについてはできるだけ長く借りて、手元資金を資産運用にまわしていくという考え方でよろしいかと思います。
●運用ポートフォリオについては、個別銘柄への集中投資はかなりハイリスク・ハイリターンになるかと思いますので、安定性を求めるなら、より分散されたポートフォリオへ組み替えていかれるとよいかと思います。

ご参考としていただけましたら幸いです。

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