はじめに

遺族年金のキホンと注意点

このように必要な教育費を詳しく確認すると、子供の成長にともなって多額のお金が必要になることがわかります。

しかし、ママに万が一があった際には、遺族年金(遺族基礎年金と遺族厚生年金)という国の制度があります。対象者と受給額を下記で確認しておきましょう。

遺族基礎年金をもらうための主な要件

(1)保険料納付要件
保険料納付済期間(免除の期間を含む)が加入期間の3分の2以上あること
※平成38年4月1日までは、死亡日に65歳未満であれば、死亡月の前々月までの1年間に保険料の滞納がなければ受給可。

(2)対象者(子供の場合)
死亡した者によって生計を維持されていた、「子のある配偶者」か「子」 
・「子」とは次の者に限ります

  • 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
  • 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

(3) 受給額
・遺族基礎年金の場合:77万9,300円+子の加算
子の加算:第1子・第2子は各22万4,300円、第3子以降は各7万4,800円
※子が遺族基礎年金を受給する場合の加算は第2子以降について行い、子1人あたりの年金額は、上記による年金額を子供の数で除した額。

遺族年金は2種類ある

■ 遺族基礎年金:自営業者の方
■ 遺族厚生年金:パートや会社員などで勤務先の社会保険に加入している方

遺族厚生年金は、遺族基礎年金に上乗せされます。遺族基礎年金の支給額は一定ですが、遺族厚生年金は支給金額が人によって違います。厚生年金は、長く加入してたくさん保険料を支払った人ほど、多くもらえます。

支給は高校卒業まで

遺族基礎年金、遺族厚生年金はともに、もらえる場合でも18歳になった年度末の高校卒業時までです(障害のある子供は20歳まで)。残された子供が大学進学を希望する場合は、大学時代は遺族年金の給付がないことに注意しましょう。

生命保険への加入は必要?

さて最後に、ママに万が一のことがあった場合の家計を想像してみましょう。

子供の生活費と教育費がパパの収入、貯金、そして遺族年金でカバーできるようであれば、ママの生命保険への加入は必要ないでしょう。しかし、貯金が少ししかないなど不安が残る場合は、生命保険の加入を検討しましょう。

<ママも生命保険に加入した方がいいケース>
・貯金が少ない
・パパの収入だけでは、子供の生活費や教育費が捻出できない
・子供を預けるために、保育料など家計の負担が増える

ご家庭により家計はさまざまですが、ご紹介したように万が一の場合には、具体的にどれくらいのお金が必要になるのかを検討した上で、生命保険についても考えてみましょう。

今回は生命保険を中心にご紹介しましたが、万が一の場合を保険ですべて賄おうとすると保険料ばかりがかさんでしまいます。貯金で足りない分のみを保険でカバーすること、あれもこれもと過剰なものを選ぶのではなく、少しでも家計にやさしい保険料に抑えることも重要です。

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