はじめに

何事もなければ教育費は問題なし

金融資産は、安全な貯蓄が1,400万円、投資が500万円あります。

夫婦合計の年間手取り収入が571万円で、このうち年170万円を貯蓄していますから、生活費は約400万円。安全な貯蓄1400万円は、生活費400万円の3.5年分になります。万一、失業・病気などで仕事ができず無収入になっても3年半は生活できるということです。ただし、夫は公務員ですから、失業のリスクはほぼありません。

戸建てにお住まいですが、自然災害などで自宅が大きな被害を受けたとしても、火災保険、地震保険、公的な給付金も考慮すると、1,400万円あればリフォームや建て替えが可能でしょう。1,400万円という貯蓄が、万一の時には備えとなります。何ごともなく過ぎれば、これを子ども2人の教育資金(高校・大学)として使うことができます。確率としてはこちらの方がずっと高いでしょう。一般的な進路であれば、子どもの教育費は2人で1,400万円あればまかなえるので(詳細は後述)、子どもの教育費はほぼ準備できていることになります。つまり、あとは、住宅ローン返済と老後資金です。

これから貯めるお金は大部分を投資に回してもOK

現在、投資が500万円あります。さらに、これから貯めていく分が加わり、それぞれの資金に振り分けることになります。

保険料は1万円となっています。どんな保険に、どれくらいの保障額で加入しているのか内訳がわかりませんが、教育費は貯蓄で準備できていますから、あとは生活費の確保です。夫に万一の時は遺族年金がもらえますし、妻も働いているので、それほど大きな死亡保障は必要ありません。住宅の火災保険、地震保険に加入済みなら、ほぼ保障は確保できていて、安全な貯蓄もかなりありますから、これから貯める分は、大部分を投資に振り向けてもいいでしょう。

では、ここからは、それぞれの資産の貯め方を考えていきます。

年間貯蓄額は170万円を維持できるように心がけましょう

まず、子育て費用について。義務教育の中学生までは、貯蓄を取り崩すのではなく、毎月、毎年の収入からまかなうのが基本です。高校から私立に進む、大学や専門学校に進学するなら、進路にもよりますが、年間数十万円から200万円程度かかります。私立高校から私立大学文系学部に進んだケースで合計600~700万円です。相談者さんの場合は、先ほどもお伝えした通り、すでにある貯蓄で2人分をほぼまかなえます。

こういった学校教育費の他にも、子育てにはお金がかかります。食費や衣類、おこづかい、家族でのレジャー費、中学生くらいになればスマートフォンを持ったり……。子どもの成長とともに増えていきます。相談者さんの夫は34歳と若いので、給与がこれから上がっていくはずです。増えた支出は、上がった給与でまかなうようにして、年間貯蓄額170万円を維持できるよう心掛けてください。これからの貯蓄分は、住宅ローンの繰上げ返済や老後資金にあてます。

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