はじめに
教育費を貯めるために利用する制度は?
教育費以外にも共通することですが、お金を貯めていくには、「いつまでに」「いくら」必要か、期間と金額の目標をたてることが大切です。そして、目標がはっきりしたら、必要な金額を期間(1ヶ月あたり)に割り戻していくと、毎月いくらずつ貯めたらいいかがわかります。
すでに紹介したとおり、教育費は18年で国立大なら300万円、私立大なら500万円を貯めることが大きな山です。
たとえば、国立大学基準で300万円を18年間で貯めようとすると、300万円÷18年間÷12ヶ月=1万3,888円ですから、毎月約1万4,000円貯めれば目標達成できることになります。私立大の場合は約2万4,000円となります。
そこでここでは、300万円貯めるための方法を考えていきます。
貯め方(1)児童手当を必ず貯める仕組みで約198万円確保
児童手当は中学卒業までの子どもを育てている方が受け取れる手当。原則、3歳まで1万5,000円、中学卒業まで1万円給付されます(収入制限による減額や第3子以降の増額あり)。この児童手当に手をつけずすべて貯めると子どもが中学卒業するまでに約198万円貯まります。国立大学目標で300万円貯めるとすると、児童手当だけで3分の2貯められるのです。
児童手当は児童手当専用の口座を用意して貯めましょう。給料が振り込まれ、日常生活費の引き落としをしている口座にすると、せっかく手当が振り込まれてもいつのまにか使ってしまいかねません。
また公務員の場合、児童手当は給与に上乗せされるため、専用口座に振り込むことができません。給与振込口座から毎月指定額を自動的に引き落として定期預金にする「オート定期預金」を使ったり、仕組みがあるなら「財形貯蓄」を使ったりすると、自動的・強制的に貯められます。いずれにせよ、手をつけずに貯める方法を利用するのがポイントです。
児童手当専用口座には、祖父母からのお年玉や出産祝いを貯めておくのもいいでしょう。以前相談に来られた方で、通帳に内訳を書いておき、大学入学時に通帳を見せて学費を支払ったところ、子どもが感激してくれたというエピソードを聞きました。