はじめに

住宅ローン、繰り上げ返済のタイミングはいつ?

住宅ローンの繰上げ返済か老後資金の貯蓄か、ということなので、まずは現在の住宅ローンの状況を整理しておきましょう。

現在、住宅ローンの残債は1,500万円です。35年ローンを10年余り返済したところで、残りの期間は24年5カ月(293カ月)。変動金利0.775%ということなので、1カ月あたりの返済額は、5万6,200円くらいだと思われます。このローンの他に、管理費と修繕積立金がかかり、1カ月の住居費は9万円となっています。

ローン開始から10年間が経過して、住宅ローン減税が終わったところですね。これまでは、金利1%未満で借りられていることもあって、住宅ローン減税を優先して繰上げ返済をしないできました。その住宅ローン減税の恩恵がなくなったいま、どの程度繰上げ返済をしていいのかわからないというところだと思います。

ご相談者さんは現在50歳。あと24年5カ月返済を続けると、住宅ローン完済時には74〜75歳になってしまいます。公的年金の受取額が13万円くらいというと、年金生活でローンを返済していくのは難しそうですし、退職金も期待できないとなると退職金でローンの一括返済も難しそうです。一方で、現在は貯蓄をしっかりお持ちですから、住宅ローン減税がなくなった今のタイミングで繰り上げ返済を行い、利息負担を軽減しておくのがいいでしょう。

600万円の繰り上げ返済で10年間の返済期間短縮、利息負担を95万低減

貯蓄は2,000万円あります。極端な話、このうちの1,500万円でローンを完済してしまっても500万円の貯蓄が手元に残せる状況ではあるのですが、そこまで返済を急ぐ必要はありません。

いま50歳で転職活動中ですが、仮に65歳までフルタイムで働き続ける前提とした場合、65歳までに繰り上げ返済をしておくと、年金生活に入ってから住宅ローンを返済する必要がなくなりますから、まずはこの65歳あたりを繰り上げ返済のターゲットとして考えてみましょう。

ご相談者さんの場合、預貯金から600万円をまとめて繰上げ返済すると、今後の返済期間を293回→170回に短縮できます。これにより、返済期間を10年間縮めることができるので、65歳にはローンを完済できる計算になります。また、600万円繰り上げ返済をすることで、利息負担を約95万円軽減できます。

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