はじめに

生活規模を大きくしなければ老後も問題なし

最後にもう一度、全体をまとめておきましょう。

現在2,000万円の預貯金をお持ちですが、このうち600万円を住宅ローンの繰上げ返済に回すと、現在1,500万円ある住宅ローンが900万円まで減らせます。残りの返済期間は10年短縮できるので、65歳にはローンが完済できるようになります。

50歳から65歳までの家計の収支は、手取り27万円が継続する場合、2.9万円×12カ月=34.8万円と、ボーナスからの貯蓄30万円をあわせた64万8,000円が年間の黒字ということになります。

このうち毎月の黒字の中から月額2万3,000円を、iDeCo口座を開設して運用を始めます。iDeCoは2022年5月から65歳まで積立が可能になるので、あと15年間非課税で運用ができることになります。

65歳時の金融資産は、住宅ローン繰り上げ返済後の1,400万円に、64.8万円×15年=972万円が加算されて、2,372万円(運用考慮せず)となります。これにどこかのタイミングでお母さまの生命保険1,000万円も加算されることになります。すでに持ち家があって合計3,372万円の金融資産が用意できていれば、生活規模を大きくしない、健康をなるべく維持することを心がければ生活していけるでしょう。

また、この中にはiDeCoの運用部分も含まれ、65歳以降に受け取りを始めることになります。公的年金が13万円なので、iDeCoを年金形式で受け取ると、毎月のキャッシュフローが改善され、取り崩している感覚を和らげることができます。

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