はじめに
個人事業主の妻には、産休も育休も手当もなし
今回のご相談のポイント1つ目は、第2子を出産しても大丈夫かということでした。ご相談者さんの場合、出産による妻の収入減少をどう乗り越えるかという点が大きな課題になります。個人事業主の場合には、出産費用を補う出産育児一時金はあるものの、会社員のように産前産後休暇やその間の出産手当金がありませんし、育児休業もその間の育児休業給付金もありませんから、出産や子育てで仕事を休むことが収入減少に直結します。
それ以上に心配なのが、仕事を休むことで復帰後の仕事規模が縮小してしまうことです。一定期間のまとまった休みを取ることで、それまで継続的に受注できていた仕事がライバル会社に移ってしまった場合、復帰をしたところで仕事がないということも生じやすくなります。
事業のタイプにもよるのですが、出産前後はしばらくの間、アシスタントスタッフを雇い、作業的な部分は外注しながら、経営の本質にかかわる部分は継続していくとよいでしょう。ライターやカメラマンなどのように、自分のスキル1本で稼いでいる場合には、信頼できる同業者に代わってもらい、その人が休むときには代わりにこちらが受注するといった相互関係を築くことで将来の仕事につなげるやり方もあります。
2、3年間は月の貯蓄が0円になっても大丈夫
個人事業主の妻にとって、第2子の出産は、売り上げ減少やコストの増大などが考えられ、手取り収入の減少につながります。とはいえ、現在、毎月27万円の黒字があるわけですから、妊娠から2、3年間は毎月の貯蓄が0円になっても構わないのではないでしょうか。ご相談者さんの家庭の場合、それでもボーナスが200万円貯蓄できていますので、気持ちの余裕を持って第2子を迎えてあげましょう。
保育費と教育費は住むエリアによってかかり方が変わる
所得の高いご家庭が多く住むエリアでは、保育や教育にもお金を掛けられるため、お子さんの保育園、ベビーシッター、習い事、学童保育、私立進学の学費などにお金をかける傾向があります。
この辺りは、周囲に流されるか、意志を持ってコントロールするかでかかる総額はずいぶんと変わってきます。民間の保育サービスと公的な保育サポートサービスを組み合わせるなど工夫をして、コストを調節することを心がけましょう。
お子さんが2、3歳になる頃には出産前後の収入減少もだいぶ落ち着くと思われます。その頃になったら、ご夫婦で教育プランなども話し合いましょう。小学校から私立に行かせたけれど、大学までお金が続かなかったというのが一番悲しいことなので、大学費用を優先的に確保した後で、小中高の進学プランや習い事など、目先の教育にかけるお金を決めるようにしましょう。