はじめに
恵まれた環境下でも貯金ができない原因は?
同じような収入額のご家庭では、家賃または住宅ローンの負担があっても生活ができているケースが多いもの。ご相談者のご家庭の場合は、家賃負担がない分、貯金にお金を回せそうなのに、それができていません。根底に「甘え」もあったのかもしれません。
原因はいろいろあるのかもしれませんが、ざっと見る限り、各費目の支出が多すぎだと言えます。食費や通信費など、ある程度気を付けている支出も見受けられますが、日用品代、教育費、娯楽費、交際費、被服費などが少しずつ膨らんでいるようです。
住居費がないうえ、今は「貯め時」ともいえるお子さんが小学生の時期。しっかり見直して貯められる家計にしていきましょう。
支出を振り返り、「消費」「投資」「浪費」に分類する
効果が出そうな見直し方は、何にいくら使って暮らしているのかを把握することはもちろんですが、記録を振り返り、分類することです。生きるため、暮らすために必要だった支出を「消費」、自分や家族の将来に備える支出、貯金などを「投資」、それ以外の自分の楽しみや欲求を満たすためだけで、生活や将来にはあまり意味のない支出を「浪費」と分類してみましょう。
「浪費」も、投資のように感じることもあるので、しっかりと客観的に判断できるといいですね。その上で、少しずつ「浪費」を少なくする方法を考えていきます。ただし、「浪費」は生活の中の「ゆとり」の部分でもあります。ゼロにまで削減する必要はなく、生活費の5%ほどを目安にコントロールしていきましょう。
支出を振り返れば、自分にとってその支出の価値が、「消費」か「浪費」か「投資」か、わかるようになってきます。言い方を変えれば、その価値観の中で、支出の5%なら「浪費」してもよいのです。要するに、支出にメリハリをつけることが大切なのです。そのコツを覚えるために「消費・浪費・投資」に分ける練習が必要なのです。