はじめに
「米国債」にも注目を
他には、一括投資ということなら、リスクはありますが、着実に増える可能性が高い「米国債」も候補に上がるでしょう。
米国債はアメリカ合衆国が発行する債券です。日本の国債や社債と同様、購入すると定期的に利息が得られ、満期になると購入したお金が返ってきます。
米国債の格付け(債務の支払い能力を格付け会社が評価した指標)は日本の国債よりも高くなっています。そのうえ、米国債のなかには年1%以上の金利が受け取れる商品も。日本の個人向け国債の金利は下限の0.05%が続いていることを考えると、高金利です。
しかも、2020年2月から3月にかけて新型コロナウイルスのリスクが表面化すると、株価は下落しましたが、米国10年債の価格は上昇(=債券の利回りが下落)。これは、株と債券を組み合わせることで、値下がりのリスクが少なくできたことを示しています。
「利付債」と「ストリップス債」とは?
米国債には「利付債」と「ストリップス債」の2種類があります。利付債は、通常、元本部分と利息部分で構成されていて、保有していると定期的に利息が支払われます。一方、ストリップス債は、割引で販売されて満期になると額面の金額が受け取れる債券です。利息の支払いはなく、持っている間の金利は元本に組み込まれるため、複利効果を得やすいのが特徴。より資産形成に向いているのは、ストリップス債といえます。
ただし、米国債には為替変動リスクがあります。米国債の場合、ドルでやり取りしますので、購入時よりも円高になれば利益が減ってしまうことになります。もっとも、逆に購入時よりも円安になれば利益が増えることになりますので、必ずしも悪いことばかりではありません。ただ、相応のリスクがあることは押さえておきましょう。
今回は、つみたてNISAもiDeCoも既に行っている方への次の投資先候補とまとまったお金の運用方法についてお話しました。イマドキは、ネット証券やスマホ証券を利用すれば、どの商品も少額から投資することができます。勉強しつつ、まずは少額から始めてみてはいかがでしょうか。
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