はじめに

2021年8月27日、オンラインセミナー「ライフプラン基礎講座!初心者の為の『マネーフォワード お金の相談』の賢い利用方法」が開催されました。

マネーフォワード お金の相談(以下、お金の相談)』は、無料でファイナンシャルプランナーに家計相談ができるサービスです。とはいえ、家計相談って何を話せばいいの?とイメージがわかない方も多いのではないでしょうか。

セミナーでは、『お金の相談』でも数多くの家計相談をうけているブロードマインド株式会社ゼネラルマネージャーでファイナンシャルプランナー(FP)の平原直樹氏が、事前アンケートで寄せられた参加者のお金の悩みについて回答しながら、家計相談で聞くべきポイントが紹介されました。

今回は、セミナーの内容を2回に分けてご紹介します。1回目は、FPの家計相談でわかることや、効率的な貯蓄の仕方、保険の選び方などをFPのノウハウを平原氏が大公開します。

※本記事は講演内容を一部抜粋・編集しています。

FPは家計のどこを見ているのか

では、実際にFPが家計簿でチェックするポイントをご紹介してきます。一般的には「理想的な家庭の内訳」があります。ただ、これは個人的な意見ですが、あまり内訳にとらわれる必要はないと思います。人はそれぞれ価値観があります、どこにお金を使うかはその人の生き方とか考え方です。それに良い悪いはないと思っています。

大事なことは、ちゃんと手取り収入の2割を貯えられているか?です。2割貯えられていれば、それ以外の出費の内訳は、極論それぞれの考えなのでどうでもいいんです。ただし、ご実家に住んでいるとか住居費がかからない環境の人は2割じゃ足りません。5割は貯められるようにしたいですね。

しっかり貯金をするためには

また、「貯金ができない」という相談もよくあります。貯金について、FPはよく「固定費を減らしましょう」と言います。支出には変動費と固定費という考え方があり、変動費が服飾費とか趣味のお金など、固定費が通信費とか住宅費とか保険料などです。

皆さんが貯金しようと思う時、まずやるのが変動費の削減です。飲みに行くのを減らすとか洋服を買うのを我慢するとかですね。これは効果的ですが、長期的にやると非常にストレスになり、続かないというデメリットがあります。

確実に1~2年かけてお金を貯めていくのであれば、やっぱり固定費の削減です。通信費は格安スマホにするとか、住宅ローンの借り換えなんていうのも検討してみると良いでしょう。さらに保険料を安くするのはFPの腕の見せ所の一つですね。さまざまなやり方がありますが、次は保険を選ぶポイントをお伝えします。

保険を選ぶ前にやるべきこととは?

保険を選ぶ際にまず考えていただきたいのは、その保険本当に必要ですか?ということです。保険は万が一の備えですが、備える方法は保険だけではありません。現金を多く用意しておく方法もありますし、日本には公的な保険があります。

たとえば医療費、公的保険のなかには高額療養費って制度がありまして、所得区分に応じて自己負担の上限が設けられています。例えば、多くの方が該当する区分ウであれば、仮に入院などで一か月の医療費が100万円かかったとしても、87,430円程度という事です。入院することはそう多くない。と考えると、民間の医療保険って必要なのかな?っていうことなんですよね。

高額療養費制度

上限額は所得額、持っている保険証の種類によって異なります。この高額療養費とは別に所属団体オリジナルの制度で自己負担額が更に減るケースもあります。このように、自分が得られる公的保険の内容を確認した上で、民間の保険は自分に必要なのかを検討してください。

そのうえで「私は〇〇という保障も欲しい」となった場合は、その保障だけを選んで入るのがポイントです。一昔前の保険はさまざまな保障が全部入っているものが主流でしたが、今は一般的でありません。

さらに、保険が必要な期間も考えてみましょう。保険の期限は二種類あります、保障される期間が決まっている定期保険、もう一つは期限のない終身保険です。当然、終身保険のほうが保険料は高くなります。安く加入するのであれば定期保険、安心を求めるであれば終身保険がいいですね。

民間の保険は、自分にとって必要な保障、必要な期間というものを意識して加入してください。この2点が保険選びのポイントです。