はじめに
S&P500について考える
今回は、米国株投資の中でも最も人気があり有力な株式インデックス指数S&P500の買い方を考えてみましょう。
S&P500は、安定性の高いダウに含まれる大手企業も含みながら、NASDAQに上場している新興企業やテクノロジー企業を含むため成長性も期待できます。
つまり、コカ・コーラやP&Gなどの全世界を市場にする昔ながらの大企業から、AppleやMicrosoft、Google、Amazonなどのテクノロジー企業や、Teslaなどの新興企業も含まれます。S&P500の時価総額は米国株式市場の約70%〜80%を網羅するといわれているため、S&P500を持っているだけで米国全体に投資していることになります。また、この500社の収益のうち40%は米国外から得ていると言われグローバルに活躍する企業が多く含まれます。
つまり、S&P500を購入すれば、全米の成長と世界各地の成長を享受できると言っても過言ではありません。
投資の神様と言われるウォーレンバフェット氏も、自分の死後は遺産のほとんどをこのS&P500で運用するように指示している話は有名です。
【リターンの実績】
配当金の再投資した場合のS&P500の株価騰落率は以下の通り。
データ日:2021年9月末時点
リターン:分配金再投資込み
通貨 :米ドルベース
※参照:myindex を使って試算
30年間ほぼ10%を超える騰落率となっています。また、この10年では16.6%も平均リターンが出ています。これは10年間で4倍以上に資産が増えたことになりますので、「投資するならS&P500だけで良い」という人が出てくるのも理解できます。
この年平均のリターンには、分配金を再投資する前提になっています。S&P500で運用する場合には分配金がでているのです。
例えば、S&P500に連動するETFのVOOであれば、分配金利回りは1.34%程度(2021年7月時点)です。2019年まで順調に増えており年率では1.7〜1.8%程度まで成長していましたが、2020年以降コロナショックの影響から配当金を出す企業が減ったこともあり、それをまとめた分配金も少なくなっています。分配金狙いの投資ではないのですが、この分を再投資に回すかどうかで複利効果も変わってきます。