はじめに
2020年の変更点(おさらい)
今年はそれほど大きな変更はありませんでしたが、昨年2020年に変わったポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
■基礎控除の引き上げ
■給与所得控除額の見直し
所得税の算出の仕組みは次の通りです。
上記の図の中で、変更点があったのが以下の部分です。
極めて簡単に解説をするなら、年収850万円以下の人にとっては、何も変わりません。給与所得控除の控除額が10万円減り、基礎控除が10万円増えたので、プラスマイナスで変わりなし、となるでしょう。
ところが、年収1,000万円の人だったらどうなるでしょうか。
今まで、220万円控除されていたものが、195万円になることで、控除額は25万円分の影響になります。そして、基礎控除が10万円増えたことで、その方の課税所得は、25万円ー10万円=15万円分上がったことになります。(税率23%と仮定すると、15万×23%=3万4,500円の増税)
ここで考えたいポイントは、給与所得控除が引き下がり続けているという部分です。
昨年から上限が850万になりましたが、その前は1,000万円でした。その前は1,200万円、その前が1,500万円……
つまり、徐々に上限のハードルが下がってきていて、その都度、そのハードルを越えた人にとっては増税になっている状況です。
仮にそのハードルが、今のあなたの年収に届き、それを超えて下がってきたとしたらどうでしょうか。もちろん未来のことは分かりませんが、そうなるかも知れない可能性の一因が、今回のコロナ禍の財政支出にあると考えられます。