はじめに
相談者の収入次第で、家計は青信号にも黄色信号にも
一方、ピンク線は右肩下がりが長く続きます。収入少なめで支出多めのパターンで、金融資産残高は、夫の退職金が入る前年である24年後に1,600万円台となってしまいます。理由は、相談者の再就職による収入を現在の半分と見積もり、再就職が遅くなったことによって教育訓練給付金は50%の受給となるなど収入が少ないことに加え、子どもの教育費は学童保育所が私立で、大学は私立医学部6年間という設定だからです。
食費多めのピンク破線では24年後の金融資産残高は700万円台になってしまいますから、
支出情報になかった自動車を1~2回買い替えたり、ちょっとした住宅リフォームをしたら赤字に転落してしまうでしょう。子ども2人が医学部専門の予備校に通ったり、浪人したりしても同様です。
教育を優先するならば、再就職後も現在の半分以上の収入が必要
つまり、相談者が子ども2人の医学部進学または同等の教育費負担を最優先するのであれば、自身の大学院修了の後は速やかに再就職をして、しかも、少なくとも現在の半分以上の収入を得る必要があるということになります。
相談者自身の人生にとっては大切なリカレント教育で、大学院進学をあきらめる必要はありません。ただ、将来の支出に見合った収入を得る必要性について、もう一歩理解を深め、実現できる具体的な計画を立てるようにしましょう。
連載「みんなの家計相談」でお悩み募集中!読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答えます。相談はこちらから。