はじめに
4つの「ない」に要注意。家計に潜む落とし穴
【その1】ボーナスがない
世帯の手取り月収は100万円と、30代夫婦としてはかなりの高給。しかも毎月の支出は40万円と、収入に対して支出はコンパクトに抑えられています。しかし、ボーナスがないため、ボーナスからの貯蓄はゼロ円。しかも、家具家電の買い替えや、家族旅行代など、さまざまな大きな支出についてもボーナスに頼ることができません。
そのため、家計の内訳をよく見ると、毎月の貯蓄は35万円となっていて、残った25万円が使途不明になっています。
収入100万円
→支出40万円・貯蓄35万円・不明25万円
→年間貯蓄420万円
【その2】教育費がかかっていない
お子さんは現在5歳です。教育費無償化の年代ですから、保育園代等がほとんどかかっていない状況ですが、お子さんが小学校高学年になる頃からは、塾代などの教育費負担が増していくでしょう。
通常、塾代や高校までの授業料はその時々の家計から出していきますが、大学の授業料に関してはあらかじめ積み立て等で準備していきます。お子さんが高校生3年生の夏くらいまでに500万円を用意しておけると、私立の文系理系どちらに進学する場合も対応しやすくなります。貯蓄のうち、500万円を将来の教育資金として確保しておきましょう。
【その3】住宅を購入していない
将来的にマイホームの購入を検討中というものの、現在は社宅に住んでいます。社宅の家賃は5万5,000円ということで、これも毎月の支出を抑えられる大きな要因となっています。マイホームを購入する際には、金融資産を取り崩して頭金を支払うことになります。
仮に5,000万円物件を頭金2,000万円で購入すると仮定するとします。3,000万円を金利1%で30年ローンを組んだ場合、毎月の返済額は9万6,491円となります。マンションの場合には管理費や修繕積立金がかかるため、月々の住居費は12万円程度になると想定できます。
【その4】退職金がない
ご主人の会社は年俸制を取っているため退職金がありません。日本経済団体連合会・東京経営者協会が行った「2018年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」によると「管理・事務・技術労働者(総合職)」の60歳の退職金の平均額は、大学卒で2255.8万円です。
退職金がある会社の場合、現役時の給与の一部が退職金として後払いされていることになります。退職金がない場合は、退職金分も先にもらっていると考えて、退職金相当を老後資金として確保しておくとよいでしょう。