はじめに

投資成果=基準価額×口数

積立投資の考え方については私も聞いていたんですけれども、今日の最初のセミナーでカン・チュンドさんがお話をされてました。そのときのお話を聞かれてない方はどのくらいいらっしゃいますか。

(会場挙手)

数人ですね。ほとんどの方が聞かれてますね。ふじりんごの例でわかりやすくお話があったと思います。そのところをちょっと思い出してください。

同じ話は重ねないようにと思っているんですけど、聞いていない方も何人かいらっしゃいますのでお話ししますね。

積立投資を考えるときに、とにかく忘れてはいけない式があります。これはカンさんもお話ししてたと思うんですが、今日はこれは強調して帰りたいと思います。この式の考え方さえわかっていれば、積立投資がわからなくなることはないと思います。

それが「投資成果=基準価額×口数」ですね。預貯金というのは、いわゆる量とか価額という概念、口数などの概念がありません。しかし、投資信託の場合は、投資した資金はその瞬間に口数に変わります。購入した口数と基準価額のかけ算で決まる。この2つの要素があるのが、最大のポイントなんです。

一括投資では口数が変わらないですよね。最初に固定されてしまいます。ですから、投資の成果は値段で決まる。安いところで買って、高いところで売らないと儲からない。なので「どのタイミングで始めたらいいの?」「いつ買えばいいの?」とすごく不安になるのが投資の考え方、常識だったんだと思うんです。

価額が上がると儲かる、下がると損をする。ゆえに、下がると怖いからなかなかできないという方が多かったりします。これが現実なんです。

しかし、積立投資は違います。カンさんのご説明にもありました通り、口数を買い込んでいくことになります。値動きは一本調子に上がる相場はほとんどありません。当然、上がったり下がったりしていきます。

その中で口数を買い込んでいくので、むしろ下がったときにはたくさん買える。下がっても怖くない。むしろチャンスと思える買い方なんだと、一括投資の考え方とは分けて、この考え方をしっかり頭の中に入れておいていただきたいなと思います。

4つの投資信託のうち、10年後に100万円を上回るものは?

先ほど、カンさんもクイズを出されていたと思うのですが、私も少し似たようなクイズを用意しています。あのときの解説を思い出して、ここでまた手を挙げてみていただきたいと思います。

こちらは、ある4つの投資信託の値動きを示しています。すべてスタートの基準価額は1万円。この4つにそれぞれ毎年10万円を10年間。つまり、合計100万円積立投資をした場合、10年後いくらになっているかを考えてみてください。

10年間の総投資金額は、10万×10年ですから100万円ですよね。この100万円を上回っているのは4つのうち、どれでしょうか。

2つあると思ったら両方に手を挙げていただいて構いません。心の準備はいいですか?

じゃあ1番のブルー。最終が12,000円になっているもの。この1番の青が10年後100万円を上回ってると思う方。

(会場挙手)

少ないですね。では2番の赤。最終が14,000円になっているもの。これが10年後100万円を上回っていると思う方。

(会場挙手)

多いですね。それでは3番目。緑色。これが10年後100万円を上回ってると思う方。8,000円になってるものです。

(会場挙手)

では、4番。最終が6,000円になっているものです。これが10年後100万円を上回ってると思う方。

(会場挙手)

……だんだんちょっと手を挙げるのが難しくなってくる感じですね。単純に示した例だとすごくわかりやすいんですけれども。

値動きには、いろんなパターンがあります。その中でどんな形になるのか、やってみないとわからないところがあると思うんです。ただ、傾向やイメージをこのクイズの中でつかんでいただけたら嬉しいです。

注目すべきは3番の「緑」

正解はこちらです。赤が10年後120万円。青が10年後100万円。緑が10年後104万円。そして紫が10年後94万円です。

すべて正解したっていう方いらっしゃいますか。……いないですね。やっぱりこうなってしまうとなかなかいない。そうなんです。難しいと思うんです。しかし、なぜこのような結果になるのかだけは先ほどの式を使って、常に頭に思い浮かべていただきたいと思うんです。

1番、2番のところのように、一方的に上がっている。最後に1番は少し下がっていますけれども、上昇がずっと続いているというようなケースにおいては、これは初めにまとめて買った一括投資のほうがもうかるに決まっています。ずっと上昇していますから。

例えば赤の2番だったら、最初に100万円を買ってしまえば、今14,000円になってるわけですから140万円になってるはずですよね。それが積立だったら120万円なので、利益が少ないということです。

また、青も上がってますが、最後の方は少し下がっています。そのため、結果は約100蔓延程度になってしまっています。結局、積立投資が万能なわけではないんです。ここはまず押さえておいてください。

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