はじめに
住宅によって借入限度額が変わる
では、貯蓄がなくても、住宅ローンの金利と控除率を見比べるだけで住宅ローンを組んで住宅購入に踏み切ってよいのでしょうか。
もちろん、頭金は30%を目安に貯めておくことが理想です。支払い利子が少なくなりますし、ローンの支払いを継続できる家計の習慣づくりの点からも、貯蓄ゼロで住宅ローンを組むことはおススメできません。
それに加えて、いくらのローンを組むのか借入金額もポイントになります。今までの住宅ローン控除では、借入限度額が4,000万円でしたが、2022年の税制改正では、住宅の種類によって借入限度額が変わります。
2022年度の住宅ローン減税は、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、住宅の省エネ性能の向上や、長期優良住宅の取得の促進をする内容になっています。省エネ性能が高いなどの条件を満たした住宅であるほど、借入金額の上限が大きくなります。
認定住宅は、認定長期優良住宅および認定低炭素住宅を指していますが、借入限度額は2022・2023年は5,000万円、2024・2025年は4,500万円までになっています。
省エネ性能が高い住宅では、借入限度額も高くなっていることがわかります。
ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギーハウス)とは、高い断熱性能、高効率システムなどによる省エネ、再生エネルギーを組み合わせることで、住宅の一次エネルギーの年間消費量がゼロになることを目指した住まいのことです。
ZEH水準省エネ住宅を購入する場合には、借入限度額は2022・2023年は4,500万円、2024・2025年は3,500万円までになっています。
省エネ住宅は、エネルギー消費を抑えるだけではなく、冬は断熱によって部屋の暖かい空気が逃げず、夏は日射しを避け、外からの熱気が入らずに涼しく、快適な住宅です。省エネ住宅を購入する場合には、借入限度額は2022・2023年は4,000万円、2024・2025年は3,000万円までになっています。