はじめに
利回りの計算方法
検討されている物件について、家賃や管理費・修繕積立金などの情報がありませんので、ここでは1つの例として次のような前提で実質利回りの計算方法をご説明させていただきます。
入居者から得られる家賃が10万円、建物を管理するための管理費が8,000円、将来の物件修繕に向けて積み立てていく修繕積立金が1,000円、固定資産税・都市計画税が6,000円(年間7万2,000円)、そして入居者からのクレーム対応や退去時の募集などを行ってもらう賃貸管理費が3,300円だったとします(すべて月額)。
すると、上の表のように、大家さんである投資家の方の手元には差し引き8万1,700円が入ることになります。12カ月分では、98万400円となりますから、物件価格で単純に割り算すると、実質利回りは3.29%となります。これはあくまで購入時の条件をもとに計算した利回りとなります。
利回りが下がる可能性も視野に入れて
この前提では空室がゼロとしていますが、新築物件といえどもいつかは退去が発生し、どこかのタイミングで1カ月や2カ月など空室となる期間があるはずです。また、5年、10年と時間が経過すると新築時と同じ家賃水準を維持するのは難しくなっていきますから、そもそもの月額賃料は下がっていきます。そうすると、徐々に利回りは下がっていく可能性が高いと言えます。
まずは現在検討中の物件について、実質利回りをしっかり確認してみていただければと思います。
なお、一般的に家賃から管理費などのコストを引かず、単純に家賃を12倍して物件価格で割った利回りは、「表面利回り」と呼ばれています。上の例ですと、10万円×12=120万円を2,980万円で割って4.0%となります。