はじめに
大病院へは、紹介状が無いと受診しにくくなる?(2022年10月1日~)
一方で、私たちの家計を圧迫することにも繋がる改正も行われます。その一つが、「紹介状なしの大病院受診時の定額負担」です。
その背景は、国民医療費の上昇推移です。少子高齢化の日本においては、医療費は年間で約40兆円(GDP比 約7%)にも上ります。
※参照 財務省「社会保障の給付と負担の現状(2021年度予算ベース)」
国は、医療費の適正化を図るため、限られた医療資源を有効活用するためにも、地域の病院や診療所が連携をしながら、全体で患者の治療に当たる提供体制を整えようとしています。
最初から、いきなり専門的で高度な治療が受けられる「大病院」に来るのではなく、地域の病院や診療所で済ませて欲しい、という国のメッセージです。これは現在も、地域の病院や診療所で書いてもらう「紹介状」がなく、いきなり大病院にいくと、「特別料金」が加算されています。
2022年10月1日から、今までよりも診察料を値上げする改正が行われます。
極めて専門的で、最新鋭の治療が受けられる大病院でも、医師の数や、治療を施せる能力の「限界値」があることは理解できます。よって、それほど深刻な症状でない限り、地域の病院で済ませて欲しいという理屈も理解できなくもありません。
ただし、私たちが本当に医師を必要としているときは何らかの異常事態です。自分自身もそうですが、大切な家族が苦しんでいるときには、誰よりも優先して治療をして欲しい、と願ってしまうのは仕方のないことにも思えます。
改正はもう決まったことなので、いま私たちにできることは、「紹介状」を書いてもらいやすい地域の「かかりつけ病院」を見つけておくことでしょう。